高く飛んだり跳ねたり、人間には到底不可能な動きができるのが昆虫だ。「その力を借りて、躍動感ある世界を表現したいと思った」と岸谷さんは語る。短い寿命の中で、必死に生きている昆虫たちを描くことで見えてくるものとは――。
みんなで胸がときめく瞬間を!
短い寿命とは言え、昆虫たちはその運命を呪ってはいないと思います。むしろ運命を受け入れ、限られた時間の中で懸命に生きている――そんな存在なのではないか。昆虫たちの生き様に焦点を当てることで、人はいかに生きるべきなのかというテーマにつなげていきたい。昆虫から見て、人間はどんな生き物として映るのか。果たして一生懸命に生きているのか、幸せな存在なのか――。昆虫の視点を通して、人間というものの存在を浮き彫りにできればと思います。
僕はゼロから作品をつくり出すことが楽しくてたまらないんです。だから、自分が広く世に訴えたい絶対的な主義主張があって、それを表現するための手段として作品をつくっているわけではないんですよ。本当に、何もないところから作品をつくり出す。その上で、自分のつくった世界に触れたお客様に笑顔になってほしい。そういう気持ちでやっている。
でも、そういうスタンスでつくり上げた作品には、必ずその時期における僕の抱えている思いであり、その時代の空気が滲み出てくるのも確かです。つまり、何もないところから全力で1つの作品をつくり出せば、その当時の自分の思いや時代の空気みたいなものは、自然と作品の中から溢れ出てくるものなんですね。だから、これまでの地球ゴージャスの14作品を1作目から順に見ていくと、僕自身の年表にもなっているはず。
今回の作品も、10万人規模の動員を目指しています。『The Love Bugs』とは、「胸がときめく」という意味を表すスラングです。ですから、公演に来てくれたお客様に、何回そのときめきを覚えてもらえるかが勝負ですね。お客様をドキッとさせられる回数が多いほど、素敵なエンターテイメント作品になるはず。もちろんそこには、切なさもあるだろうし、燃えるような情熱も感じられるかもしれない。僕らがどれだけそんな気持ちをお客様に与えられるか。そこに期待していただきたいですね。
(インタビュー・文 佐藤学 /写真 TATSURO/ヘアメイク 冨沢ノボル/スタイリスト 鷲頭マコト〈4D〉)
岸谷五朗(きしたに ごろう)
1964年9月27日 東京都出身
舞台俳優になるため、1983年に三宅裕司が主宰する劇団スーパー・エキセントリック・シアターに入団。看板役者として活躍する。1990年からはTBSラジオ『岸谷五朗の東京RADIO CLUB』のパーソナリティも務め、人気を博した。
1994年に劇団を退団し、寺脇康文とともに演劇ユニット「地球ゴージャス」を結成。以来、定期的に公演を行い、今作『The Love Bugs』で14作目を数える。舞台の他に映画、TVドラマなど各方面で活躍。舞台演出や脚本執筆も手がけるなど、多彩な能力を発揮している。
2016年には『The Love Bugs』の他、シアタークリエにて6月に上演される舞台『ラディアント・ベイビー~キース・へリングの生涯~』の演出が決まっている。
ダイワハウスSpecial 地球ゴージャスプロデュース公演Vol.14 『The Love Bugs』
公式サイト http://www.chikyu-gorgeous.jp/vol_14/ | |
作・演出 | 岸谷五朗 |
演出補 | 寺脇康文 |
出演 | 城田優 蘭寿とむ 大原櫻子 平間壮一 マルシア 岸谷五朗・寺脇康文 |
企画製作 | 株式会社アミューズ |
チケット料金 | S席 ¥12000 / A席 ¥9500 / B席 ¥8500 (全席指定・税込) |
お問合せ | チケットスペース 03-3234-9999 (月~土10:00~12:00/13:00~18:00) ※上記の「チケット料金」と「お問合せ」は、東京公演のみの情報です。 |
公演日程 | 東京公演 2016年1月9日(土)~ 2月24日(水) 会場 赤坂ACTシアター 名古屋公演 2016年3月1日(火)~ 3月3日(木) 会場 愛知県芸術劇場 大ホール 福岡公演 2016年3月11日(金)~ 3月13日(日) 会場 福岡サンパレス 大阪公演 2016年3月19日(土)~ 3月29日(火) 会場 フェスティバルホール |
公演に関する お問合せ | 地球ゴージャスファンクラブ 03-5457-3485 (祝日を除く月~金15:00~18:30) |
(取材:2015年9月)