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スペシャルインタビューSPECIAL INTERVIEW

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「今以上に成長するには、目標のハードルを高く設定する必要がある」という吉田選手。1回のミスが命取りになるポジションで常に集中力を維持するには、精神的な疲労もかなりあるようだ。
 
 

アジアを代表するDFという気概で戦う

 
 高い集中力を保つ必要があるから、試合時間の90分なんてあっという間にすぎちゃいますね。もちろん、人間だからミスをすることもありますけど、それをいかに失くしていくかが、プレイヤーとしては大事。プレミアは今までぼくが経験したリーグでは最もレベルが高いですから、一試合ごとにものすごく神経を使います。
 
 センターバックのポジションは、たとえばサイドバックと比較すると体力的な負荷はさほどかかりません。一試合で走る総距離もサイドバックほどではない。でも、頭を働かせ続けるから精神的な疲労はかなりのもの。だからこそ、思い通りにプレーができて勝てた試合だと、喜びもいっそう大きいです。
 
 現時点でプレミアリーグに所属する日本人DFはぼくだけ。そういう意味では日本だけでなく、アジア人DFの1人として、後に続く選手たちのために道を切り拓きたいという気概は常に持っていますよ。ぼくがこのリーグで評価されれば、他のアジア人にも注目が集まるかもしれないし、ヨーロッパのリーグに移籍するチャンスを得るきっかけになるかもしれないですからね。日本人として、アジア人として、そういう思いも背負って戦っています。
 
 
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吉田選手はこれまでに所属してきたどのチームでも「基本的に“いじられキャラ”」として扱われるそうだ。周囲の人間が親しみを込めて接したくなるような、そうしたパーソナリティは、どのようにして培われてきたのだろうか。
 
 

サッカーは人間をつくる

 
 いじられキャラになろうと思ってそうしているわけじゃないんですけど、いつの間にかそういう扱いになっているんです。一緒に練習したり、食事に行ったりしてコミュニケーションを図っているうちに、自然とね。どうしてなんでしょう(笑)。
 
 Jリーグの名古屋グランパスで初めてプロになった時は、意識的に年上の選手に近付くようにしていました。やっぱり経験値の高い先輩からは、グラウンドの外でも吸収できることがたくさんありますからね。それに、可愛がってもらえれば、おいしい食事をたくさん奢ってくれる(笑)。本当にいいことばかりです。
 
 先輩になかなか自分から話しかけられない選手もいましたけど、ぼくの場合は歳の離れた兄が2人いるので、年上と接するのに慣れているんです。末っ子なので可愛がってもらったし、そういう環境で育ったのが大きかったんでしょうね。
 
 それと、小さい頃は人見知りする性格でしたが、サッカーを続けているうちに自然と社交性が身に付いたんですよ。たとえばユース時代に、選抜チームに呼ばれることがあるじゃないですか。そういう時は、初めて顔を合わせた選手とチームメイトとして試合をすることになる。試合をするにはチーム内でコミュニケーションを密にする必要があるから、自然と話をする状況になりますよね? そうやって年齢を重ねながらたくさんのチームで経験を積むうちに、人見知りはしなくなっていました。
 
 つまり、サッカーを一生懸命やっているうちに、自然と人間としても成長していたんです。そういう意味では「サッカーは人間をつくる」って本当ですよね。・・・そんな言葉、言った人がいるか知らないですけど(笑)。
 
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