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スペシャルインタビューSPECIAL INTERVIEW

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自分の芯を信頼して
精一杯の働きをしたい

 
日本における女性ジャーナリストの地位引き上げに大きく貢献し、日テレ系『きょうの出来事』のメインキャスターとしても知られた櫻井よしこ氏。氏は近著でこう語る。「発表するメディアや場所は少しずつ変わっていますが、私は相変わらずこの仕事が好きです。」(文春新書『迷わない。』より)――キャリアに安住せず、なお精力的に活動を続ける彼女の芯にあるものとは何か。
 
 

仕事が掛け替えのないものになる時

 
 先日出させていただいた新書に『迷わない。』というタイトルをつけました。私は、自分の記事がどう読まれたかというような小さなところでは他人の評価も気にしますが、仕事の選択とか、人生を決める判断とか、自分にとって決定的なものであればあるほど、自分なりの考え方で突き進んできたような気がします。結論を出す時はスッと決めて、迷いません。人が何を言おうと気にしません。なぜなら、その都度自分の頭で一所懸命に考えて出した結論ですから。
 
 ハワイ州立大学を卒業して日本に帰ってきた当初、私はジャーナリストになろうと思っていたわけではありませんでした。仕事を見つけて働いて、自立することが目下の課題で、ジャーナリズムの仕事に関心を持ったのは、アメリカの『クリスチャン・サイエンス・モニター(CSM)』という新聞の東京支局で助手の職を得てからのことでした。支局長のエリザベス・ポンドさんという、非常に優秀な女性と出会って、彼女の仕事ぶりと真剣さに魅せられたんですね。
 
 仕事って、最初から「他者のため」「社会のため」というような大義の旗があるわけではないと思います。でも、人は社会的存在ですから、多くの人と否応なく関わって生きていきますでしょう? その中で自分がやるべきことを一所懸命やっていくうちに、ふと見回してみたら、この仕事は私一人のためだけじゃなく、もっと多くの人のためにも良かったんだな、と思える瞬間が来ると思います。ある仕事が個人にとって掛け替えのないものになるのは、その時なんでしょうね。
 
 
 
 

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