
インタビュアー 八重樫東(元ボクシング世界王者)
山崎 実は私、自ら望んで看護師の道に進んだわけではないんですよ。大学受験に失敗し看護師だった母の勧めで看護学校へ入ったんです。仕方なく進学したので全くやる気のない劣等生でした。ところが1年生の病院実習で、まだ何もできない私に「明日も待ってるよ」と声をかけてくださる患者さんがいたんです。病院では素敵な看護師さんがたくさん働いていたので目標となり私の中でスイッチが入りました。
八重樫 医療現場での充実感が、山崎社長の人生を一気に変えたようですね。
山崎 ええ。そして、3年生の病院実習で脳梗塞の方を受け持ち、退院指導をすることになり、ご自宅に戻る患者さんの生活が気になって仕方がなかったんです。まだ訪問看護という言葉もなかった時代でしたが、いずれは在宅の患者さんを支える仕事に就きたいという気持ちが芽生えました。その思いを抱え就職した病院でも退院後の生活指導を積極的にしていました。その後、私の思いを知っていた先輩に誘われ、新規立ち上げの訪問看護ステーションを運営する会社に、転職することになったんです。その後も、新規立ち上げに誘われ、転職し合計4ヶ所のステーションで管理者を務めました。

山崎 前社で管理者を続けるうちに、自分で会社を興した方がやりたいことができると思ったからです(笑)。それで、家族の反対もありましたが、子どもが社会人になったのをきっかけに、2024年に弊社を創業したんです。住み慣れたご自宅で、患者さんがその方らしく暮らすお手伝いをする仕事に大きなやりがいを感じています。