石黒　お仕事をする際は、どんなことを心がけておられますか？
 
YURA　ホスピタリティを大事にしています。私は以前、栃木県で有名な飲食店の社員として働いていました。そこでサービス業のあるべき姿を学んだことが糧になっています。「なぜここまでしなくちゃいけないのか」と思ったほど、厳しく接客術を叩き込まれたんです。
 
石黒　その接客修業が土台になっているんですね。
 
YURA　私自身が客としてあるお店に行ったとき、スタッフさんの態度に幻滅したことがあります。逆に、人気店は言葉遣いや気配りをはじめ接客一つひとつが丁寧なんです。言わば、ホテリエのような上質な接客。それを私は追求し続けています。
 
石黒　私も、お店に行くときは接客を重視しています。「何が食べられるか」より「誰がもてなしてくれるか」。やっぱり“人”が大切ですよね。
 
YURA　はい。お店の居心地の良さは、おもてなしをする“人”がいて初めて成り立つと思います。
 
石黒　私は、「なぜここまで」と苦しんだ経験が活きている、というお話にも共感しました。無駄に思える苦労も、後々自分を支えてくれる。そのことに気付けた今、厳しくしてくれた方々に感謝しています。
 
YURA　私は、努力して苦難を乗り越えた先に、仕事の喜びがあると考えています。まずは必死に頑張ることが大事ではないでしょうか。今はスタッフの成長が楽しみです。
 
石黒　いくつもの壁を乗り越え、その境地に辿り着かれたんですね。私の夫、LUNA SEAの真矢君は、好きなことを仕事にしてきました。でも毎回ステージは命懸け、全身全霊を注ぐスタイルです。「ここで倒れても構わない」と執念を燃やし、ライブに臨む。その果てに、喜びがある。オーナーの仕事観に通じるものがある、と感じます。