B+ 仕事を楽しむためのWebマガジン

経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

測量で土地の境を明確化
不動産の価値を守る!

 

登記申請に欠かせない対話力

 
glay-s1top.jpg
クリス 土地家屋調査士として仕事に勤しむうえで、古川代表は何を大切にされていますか?
 
古川 土地や建物に関わるすべての人から、我々の仕事をご理解いただけないと作業が進められないので、密にコミュニケーションを図ることを大事にしています。例えば、当事務所と中野区の区道との境界を測量するなら1日もあれば十分ですし、図面も1日で作成できます。けれど、登記が成立するには3ヶ月はかかるでしょう。測量結果について、中野区役所さんのご意見をうかがって検証し、何度も調整しなければなりません。
 
クリス 区や市町村の役所など行政との擦り合わせに時間を要するんですね。
 
古川 はい。場合によっては、行政だけでなく隣家の方々にもご同意をいただかねばなりません。加えて当然、依頼されるクライアントとの打ち合わせもあります。つまり、土地の関係者それぞれと話し合い、理解し合えて初めて登記申請は完了するわけです。
 
クリス まるで接客のようで、大変そうです。
 
glay-s1top.jpg
古川 まさに接客ですね。土地には財産や税などセンシティブな要素も絡むため、一筋縄で事は運びません。中でも、隣家との境を巡って起きるトラブル「境界紛争」でそれは顕著になります。問題を解決・進展させるには、関係者の一人ひとりと対話を重ね、思いを汲み取りつつ妥協点を探し合う必要があります。その相互理解を促すために、私は細心の注意を払っているんですよ。
 
クリス 皆が納得できる形で境界を取り決めて、各自の資産や財産を守る。そのために「心のやり取り」を重視されているんですね。計測のプロとしてクールさは必須なのでしょうけれど、人へのあたたかさも兼ね備えていないとできない仕事なんだろうなぁ。古川代表も、良い意味で職人気質ではなく、とてもお話ししやすいです。
 
古川 ありがとうございます! これほど人に対してオープンな土地家屋調査士は珍しい、と我ながら思っています(笑)。加えて、30代という若さも私の特色でしてね。還暦を超えてなお活躍されている方が多い業界でもあるので、フットワークの軽さやスピード感、相談のしやすさを強みにしています。