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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

ITのノウハウを活用し
おいしい有機野菜を栽培

 

30年分の家庭菜園の知識と技術を仕事に

 
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矢部 御社のホームページを拝見したところ、プログラミングやアプリケーション開発と農業のほかにも、古物商やスマートフォンの販売など、幅広い事業を展開していらっしゃいますね。
 
川口 はい。というのも、大手企業では規則やルールが厳格に定められていて、一人の社員として行える取り組みには限界があります。特に前職では、安価なソフトウェアを購入するのにも逐一稟議を通さねばならず時間もかかり、それがストレスにも感じていました。しかし、経営者となった現在では自分自身で方針を決められますし、自由な発想で仕事ができるのでとても楽しいんです。それで、自身が得意とする分野で、なおかつ興味のある事業はなんでもやってみようと思ったんですよ。
 
矢部 私もタレントや俳優業の傍ら、飲食店の経営や馬主、アパレルの仕事など、私自身が興味のある事業を幅広く行っているので、そのお気持ちはとてもわかります! でも、それまで経験を積んできたIT分野とはまったく異なる農業を主な事業として行おうと思ったのはなぜだったんですか?
 
川口 それはやはり、趣味として長く続けてきたからこそですね。知識や技術にも自信がありました。そのうえ、プログラミングのスキルを生かすことで農業に活用できるソフトウェアやアプリケーションも開発できると考え、ITと農業を組み合わせた事業を展開することにしたんです。
 
矢部 まさに、ご自身が得意とする二つの分野を掛け合わせたわけですね。農業用のソフトウェアとはどういうものなのか、ぜひ教えてください。
 
有機無農薬農業による農作物を栽培
有機無農薬農業による農作物を栽培
川口 例えば、植えた作物の管理を行うソフトなどを考えています。野菜は基本的に、同じ種類のものを毎回同じ場所に植え続けると特定の栄養素ばかりが吸収され、土の中の栄養に偏りができて作物の生育に悪影響を及ぼす可能性があり、これを連作障害といいます。しかし、毎回違う場所に植えていると、今度はいつどこに何を植えたかがわからなくなってしまいがちです。そこで、植えた作物を管理するソフトがあれば助かる人も多くいるのではないかと思い、開発しようと考えたんですよ。畑の地温なども携帯アプリなどで確認できたら便利ですよね。
 
矢部 それはすごいですね。長年、家庭菜園に取り組んできたからこその発想だと思いますよ! 農業の現場もよく理解している当事者が「こういうシステムがあったらいいな、便利だな」を形にできる技術を持っているのも、川口社長ならでは強みですね!