山田　自分も小さい頃から足に関心を向けてきました。中でもこだわったのは、運動中に必ず裸足で靴を履いていたことです。中学の陸上部にいた時、靴下のちょっとしたヨレが気になって、跳んでも走っても十分に力を出せなかったんですよ。靴も親指の先までぴったりじゃないと嫌でした。
 
楠木　足の裏を繊細に動かすには、それぐらいの気遣いが必要なのでしょうね。山田さんのようなアスリートの言葉が刺激となって、もっと皆さんが足の大切さに気付いてくれたらと思います。
 
山田　実際、足は第2の心臓と言われるぐらい、体の中で重要なパーツですからね。私はよく全身を三角形に例えて説明するんです。上から頭、首、胸と当てはめていくと、底辺の一番大きい部分が足になります。筋トレの初心者などは腰から上を鍛えたくなるでしょうが、実は三角形を安定させる足の部分こそが、体をつくる上で最も重要なんです。
 
楠木　本当にその通りですね。足には人間の骨の4分の1が集まっていて、ここの土台をしっかりしておかないと、膝、腰、肩にまで影響が出ます。爪もそれに関係していて、巻き爪などを放置しているとしっかり踏み出せません。たかが爪のことと軽く考えずに、足に違和感や不調がある人は一度フットケアの専門家にチェックしてもらうことをお勧めします。
 
山田　靴ひもの締め方も足の安定に影響がありそうですよね。そもそも普段履く靴だと、いちいち結び直さない人のほうが多そうですし･･･。