西村 空き家問題は少子高齢化が加速する日本では深刻な問題ですよね。古家は壊され、新たな家が建つのが不動産業界のセオリーであるものの、本来不動産が持つポテンシャルを最大限に引き出して形にしたいと考え、古民家再生事業に注力しています。その一環として、今、弊社で奈良県大和郡山市の古民家をレンタルスペースとして活用する「イドコロプロジェクト」を進行中です。造りがしっかりとした庭付きの平屋なのに、駅から遠く、しかも駐車場なし・お風呂もなしの三重苦物件だったので、思い切ってレンタルスペースとしての再生に舵を切りました。
石黒 おもしろいお取り組みですね! 西村社長は、ずっと不動産業界で働いてこられたのですか?
西村 実は新卒から約14年、金融機関に勤めていました。でも、ずっと興味があった不動産業界、特に古民家再生事業に挑戦したくて、2017年に思い切って転職を決めたんです。妻も背中を押してくれ、2017年から不動産会社に約5年勤務し、2022年4月に独立しました。今年の10月に宅地建物取引業免許を取得したので、長年の夢だった古民家再生事業はもちろん、不動産の賃貸・売買の仲介も本格化させていきたいと考えています。
石黒 以前、長野に行ったとき、たくさんの古い空き家を見ました。味わいがある素敵な佇まいなのに、使われないまま放置されていて、すごくもったいないと感じたことを思い出します。
西村 住まなくなった実家などの不動産を思いがけず相続してしまい、処分方法も使い道もわからずお困りの方は少なくありません。そういった方々に向けて、ただ放置するのではなく、例えばカフェとしての活用など、さまざまな用途をご提案するのが私の仕事。古民家再生を通じて町おこしになり、雇用を生み出すことができれば地域の活性化につながると信じています。
石黒 素晴らしいビジョンだと思います。ただ、とても大変なお仕事ですよね。
西村 そうなんです(笑)。既存の不動産業よりも格段に手間も時間もかかるので、あまりやりたくない事業かもしれませんね。よく言えば、ブルーオーシャンですよ(笑)。
石黒 素晴らしいビジョンだと思います。ただ、とても大変なお仕事ですよね。
西村 そうなんです(笑)。既存の不動産業よりも格段に手間も時間もかかるので、あまりやりたくない事業かもしれませんね。よく言えば、ブルーオーシャンですよ(笑)。