坂井 そうなんです。私の祖父が戦後間もない頃にサカイ農機を創業し、農機具の販売を始めました。その後、農業機械を設置するための倉庫や建物なども一緒に提供しようと、私の父がサカイハウスという建築会社を設立したんです。私自身も大学卒業後にサカイハウスに入社し、これまで建築業界で仕事をしてきました。
タージン そこからなぜ農業を始めることになったんでしょうか?
坂井 もともと実家では会社を経営しながら、兼業農家としてコメづくりも行っていたんですよ。ただ近年、少子高齢化の影響や後継者不足などの問題から、廃業する農家さんも次第に増えてきました。農機具の販売会社としても、お客様である農家さんが減少してしまったとしたら、当然ながら収益も減って経営に行き詰ってしまいますよね。そこで、家業としてだけでなく、地域全体で農業の活性化を図りたいとの思いで、より本格的に農業を開始した次第です。
タージン 地域振興的な意味合いもあるわけですか。お聞きしたところ、さかい農園さんではなにやらユニークなお米をつくっておられるとか。
坂井 当農園では、地元である紀の川市の池田地区から名前を取って「池田ニンニク米」と名付けたブランド米を生産しています。品種としては、「キヌヒカリ」「ヒノヒカリ」の2種類のコメを用いているんですよ。来年2024年からは「いのちの壱」という品種も追加します。
タージン ニンニク米とはどんなものなのか気になりますね。誕生に至る経緯をぜひ教えてください。
坂井 私が新規就農するにあたっては、もともとの農機具販売会社の利点をいかし、なるべく機械化して効率的に生産でき、加工品製造等の6次産業化もできる作物をつくりたいと考えていました。その条件をちょうど満たす作物がニンニクだったんですよ。そして、ニンニクを収穫したあとの畑を田んぼにしてコメをつくる、いわゆる二毛作も始めました。すると、もともとニンニクをつくる際に有機肥料を多く使用することで、非常に栄養豊富で上質な土壌になっていたのが、コメの成長にも良い影響を与えることがわかったんです。
坂井 私が新規就農するにあたっては、もともとの農機具販売会社の利点をいかし、なるべく機械化して効率的に生産でき、加工品製造等の6次産業化もできる作物をつくりたいと考えていました。その条件をちょうど満たす作物がニンニクだったんですよ。そして、ニンニクを収穫したあとの畑を田んぼにしてコメをつくる、いわゆる二毛作も始めました。すると、もともとニンニクをつくる際に有機肥料を多く使用することで、非常に栄養豊富で上質な土壌になっていたのが、コメの成長にも良い影響を与えることがわかったんです。