山口　私が病院勤務から訪問看護の仕事に転職した理由が、訪問看護のほうがよりきめ細かいケアができると思ったからなんです。病院だとどうしても次は点滴、次は出棟と、やることが多く、患者様の話しを十分に聞くことができないケースが多々ありました。しかし訪問看護ならもっと深く関わり、その方にとって必要なケアを不足なく提供できると考えたからです。
 
畑山　利用者の方にしっかり寄り添うことで健康管理はもちろん、メンタル面のケアもできそうですね。いろんなことを相談される機会も多いのではないでしょうか？
 
山口　そうですね。専門設備のないご自宅にお住まいの方ならではの相談を受けることもあります。例えばトイレが狭い場合は、ポータブルトイレを導入すればいいと一般的に考えがちです。しかし、人によってはベッドの横にトイレがある状態を不快に思われます。それならトイレまで歩けるようにするリハビリを行うなど、個々に合わせたやり方をご提案しているのです。
 
畑山　なるほど。10人いれば10通りの要望がありますよね。山口代表は独立後、訪問看護ならではの距離感や密なコミュニケーションを実践されていることが伝わってきましたよ。