兵庫県明石市に根差して15年、交通誘導整備に特化した警備業を手がける株式会社ABC(エービーシー)ガード。取締役本部長として同社を牽引するのが、現場第一線主義を貫く小山敏文氏だ。「警備員の仕事が少しでも周囲に感謝される職業になることが目標」と話す小山氏は、警備業界全体の将来を見据え、若い世代の育成に何よりも力を注いでいる。そんな小山氏に、仕事のやりがいや将来の展望を熱く語ってもらった。
運送業界を経て警備業の世界に
小山 私は運送会社を営む両親のもとに生まれました。ただ当時は親の仕事を継ぐのが嫌で、体力を使う他の職種に就いていたんです。しばらくして、この肉体労働をこの先もずっと続けていくのは厳しいと思い、両親の紹介で中小企業の運送会社で働くことになりました。仕事のいろはをゼロから学び、神戸支店も任せていただくなど、いろいろな仕事を経験しましたね。
狩野 以前も組織をまとめる立場だったんですね。
小山 そうなんです。会社が大きくなればなるほど、現場と上層部の意見の齟齬も生まれますよね。個人の考え方、組織の考え方両方の間を取り持っていたんです。
狩野 双方の意見を汲み取りながら、中立的な立場でいるのは苦労も多かったと思います。警備業の世界に入られたのはいつ頃ですか?
小山 50歳を過ぎた頃に、別の仕事に挑戦しようと思い警備業の世界に進み、今年2023年で15年になります。現在は25人体制で、明石市をはじめ加古川市、神戸市のエリアを中心に交通誘導警備を行っています。