B+ 仕事を楽しむためのWebマガジン

経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

高度な技術と親身な対応
思いを紡ぐピアノ調律師

 

世代を超えて受け継がれるピアノを目指して

 
glay-s1top.jpg
石黒 私の夫はドラマーでして、調整には驚くほどの時間をかけています。また、「この人じゃなきゃ任せられない」という方もいます。大切な楽器を傷つけずに丁寧に扱って、必ず自分の求める音に調整してくれる。そういった信頼関係も大事ですよね。
 
伊藤 とても共感できます。私も同じで、お客様と良い信頼関係が築けると、「この方が今求めている音はこれだ!」といったことがわかるようになるので、言葉では表現しづらいニュアンスまで汲んだ調整ができるんですよ。ですから、お客様から「お任せで」と言っていただけて初めて一人前だと思っています。
 
石黒 一流のプロフェッショナルにしか到達できない領域ですよね。お客さんにとって、伊藤代表はなくてはならない存在だと思いますよ。では最後に、今後の展望やビジョンを教えてください。
 
伊藤 この先もずっと、お客様の大切なピアノを修理し続けることが目標です。ピアノに限らず、生の楽器はしっかりと修理すれば何度でも生まれ変わり、何世代にも渡って受け継いでいけます。そのお手伝いをしていきたいんです。
 
石黒 子どもが小さい頃から弾いていたピアノを、やがて孫が演奏するようになる――。そんな風に、思い出がきれいな形でつながるのはとても素晴らしいことですよね。
 
glay-s1top.jpg
伊藤 私のお客様でも、実際にお母様が使っていたピアノを娘さんが使うために修理し、そして数十年後に、今度はその娘さんのお子さんが使うために再び修理したということもありましたよ。また、どうしても使い始めてからでないとわからない不具合も中にはあります。ですが、その場合は損得勘定を一切抜きにして、一生懸命、最後まで責任を持ってメンテナンスいたします。
 
石黒 お話をうかがって感じるのは、伊藤代表の人間的なあたたかさです。皆さんが大切なピアノを安心してお預けになる理由がとてもよくわかりました。
 
伊藤 ありがとうございます。石黒さんにそう言っていただけると嬉しいです。
 
石黒 “音”は思い出に直結する大切なものです。特にピアノは、それぞれのピアノにしか出せない固有の音が必ずあって、演奏者や家族にとってはその音の中に思い出がいっぱい詰まっているんだと思います。そんな宝物のような音がずっと鳴り続けるように、これからもたくさんのピアノを修理し続けてください。私も応援しております!
 
 
 
「仕事を楽しむ」とは‥
毎回思い通りにいかないのがこの仕事のおもしろいところです。見た目は戻っても中身が全然違うなど、頭でいくら計算してもその通りにはならないことが多く、逆にすぐ直せるピアノだと物足りません(笑)。修理に手間がかかる分、ピアノを届けた時の子どもたちの喜ぶ反応が、たまらなく嬉しいです。
(伊藤伸也)
 
 :: 事業所概要 :: 
  ■ 事業所名 富山ピアノサービス
■ 所在地 〒930-0108 富山県富山市本郷西部2233-4
■ 事業内容 ピアノの修理・調律
■ 創業 平成13年8月
■ 従業員数 2名
■ フェイスブック https://www.facebook.com/profile.php?id=100057523027842