川原 私が書道を始めたのは幼稚園のときでした。最初は姉と一緒についでに教室へ通わされたんです(笑)。それ以来、長きにわたり経験を積んできました。もともと私は「負けたくない」「書道の世界でのし上がりたい」という勝ち気で承認欲求の強い人間でした。でもあるときに、大病を患って考え方が変わったんです。そこで白筆会という書道団体を立ち上げ教室をリニューアルしたんですよ。
八木 教室の運営だけでなく、書家としても世界を舞台に活躍しているそうですね。
川原 はい。2019年に、たまたま雑誌に掲載された私の書を見た美術関係の方から「海外に出展してみませんか」とご連絡があったんです。おかげさまで作品は好評で2023年にはドバイとパリ、2024年にはニューヨークでの出展が決まっているんです。
八木 それはすごい! アーティストとして世界的な評価を得ているんですね。となると、こちらの教室は一般的な教室とは教え方も違いそうですね。
川原 そうなんです。私の教室の方針は競わない、比べないこと。透明感のある感性をできるだけ壊さないでいたいのです。そして特に注意を払っているのが言葉のかけ方です。言葉は生きていますからね。技術面では基本をしっかり踏まえた独自のカリキュラムに沿いながら、今日自分がやるべきことを自分で決め、能動的にお稽古に取り組めるようにしています。
八木 素晴らしい方針です。子どもだって、押し付けられたことではなく自分で決めたことはやり遂げるものですよね。
川原 気が付くと1時間も書に熱中している子もいますよ。生徒さんはお子さんから大人まで幅広く、親子で通ってくださる方もいらっしゃいます。
八木 親子で書を習えるなんて、素敵だなぁ。生徒さんに技術的に上達してもらうために大事にしていることがあれば、教えていただけますか。
川原 私がポリシーにしているのは、書きながら技術を高めてもらうことです。なぜなら書もスポーツと同じで、体を動かさないと身に付かないからです。
八木 親子で書を習えるなんて、素敵だなぁ。生徒さんに技術的に上達してもらうために大事にしていることがあれば、教えていただけますか。
川原 私がポリシーにしているのは、書きながら技術を高めてもらうことです。なぜなら書もスポーツと同じで、体を動かさないと身に付かないからです。