小林　弊社が技術支援を提供しつつ開発を行っているものの一つが、三嶋電子株式会社が製造する「水電池」を「水電池センサー」として応用した製品です。
 
石黒　水電池とは初めて聞きますね。どのようなものなんでしょうか。
 
小林　これは、水に浸ると化学反応によって発電する電池なんです。水さえあればどこでも電力を確保できるので、例えば災害時にランタンなどの照明に用いたり、携帯電話の充電を行ったりすることが可能になります。そして、それを応用して製作したのが、海や川などでのレジャーで着用する救命胴衣に、緊急事態を知らせるLEDランプや、もし流されても居場所を知らせることができるGPS機能などを搭載したものなんですよ。
 
石黒　へえ～、すごい！　万が一水難事故に遭ったとしても、水で発電できるのは助かりますね！
 
小林　雨やシャワーのような降りかかる水では作動せず、救命胴衣が水に浸ると作動する仕組みになっています。その仕組みであれば、ほかにも水位の上昇を知らせる警報装置にも用いることができます。これにより、突然のゲリラ豪雨でトンネルや高架下が冠水していることを、ドライバーにいち早く知らせるといった使い方もできますね。
 
石黒　本当にさまざまな場面で利用できるんですね！　それにしても小林社長は、すごく豊富なアイデアをお持ちで、驚きました。
 
小林　ありがとうございます。私は、人が困っている身近な問題を解決できる便利な製品の開発を常日頃から心がけています。こちらのハムスター用のログハウスも、もともとは、私の孫にせがまれてつくったものなんですよ（笑）。こうした技術を、例えば就労継続支援事業所に提供して、製作・販売をしてもらうなど、障がい者の方の雇用につなげられたらと考えています。
 
石黒　それは良いですね！　絶対に人気が出ますよ。私もモルモットを飼っているので欲しくなりました（笑）。社会貢献にもつながる、本当に素敵なお仕事だと思います。