「ありがとう」を求めて独立
齋藤 トレーナーとして現役のボクサーを指導されている八重樫さんにそう言っていただけて、非常に光栄です。八重樫さんのおっしゃるように、私は3歳から22歳までずっと水泳に熱中しておりました。今でこそこうしてジムを運営しているものの、体育大学卒業後はとある商社に就職したんですよ。
八重樫 それは意外です。なぜ商社に勤められたのでしょう?
齋藤 それまでずっと水泳漬けの日々だったので、経済がどのように回っているのか一度勉強してみたいと感じたんです。それを商社でなら働きながら学べると思いましてね。ただ、結局やりがいをそれほど感じられなくて。というのも、エンドユーザー様とかかわることが少なく、お客様から直接「ありがとう」と言っていただける機会がほとんどなかったんですよ。もともと私は、「ありがとう」という感謝の言葉をいただいてこそモチベーションが上がる性格なので、お客様とコミュニケーションを取りながら、お礼の言葉を直にいただけるような仕事は何だろうと考えたときに、たどり着いたのがトレーナーの仕事でした。