名高　ところで、特殊清掃や遺品整理は現在、昔と比べてもずいぶん世の中に浸透してきましたよね。そこであえて、今日はお二人に業界の問題点もお聞きしてみたいです。
 
松田（貢）　この仕事には資格が必要ありません。また、ホームページを見るだけでは本当にいい業者か悪徳業者なのかわかりづらい点があります。だから、知識も技術もない人が簡単に開業できてしまうんですよ。例えば、お見積もりのときに100万円と書いてそのまま決まればラッキーと考え、もし、相見積もりで他社が50万の見積もりを提示したらあっという間にそれ以下の値段に下げたりする悪徳な業者もたくさんいます。それが業界の現状なんですよ。
 
名高　それは驚きました。最初からまっとうな金額を提示すればいいのに、ひどいですね。
 
松田（貢）　ええ、ですから真面目で誠実、なおかつ技術力のある業者と出合うことが何よりも大事なんですよ。その点、相見積もりなどからわかることとして、当事業所のお見積りは平均価格より大凡3割程安いケースが多いですね。
 
松田（あ）　以前、他社の見積もりがあまりにも高額で、困ったお客様が私どもに相談してくださったことがあったんです。そして、私たちがリーズナブルな金額をご提案すると、涙を流しながら「よろしくお願いします」とおっしゃってくださいました。そのお客様とは今もお付き合いがあって、LINEで「元気にしています」と近況を伝えてくださるほどの仲なんです。
 
名高　それほどお客さんと強い信頼関係を築いておられる、何よりの証ですね。お話をうかがって、まさにお二人が手がけている仕事は、“人助け”そのものなんだと深く実感しましたよ。