石黒　鉄パイプの汎用性の高さが明らかになって、もはや一業界向けのお仕事ではなくなりつつありますね。ネット販売を始めてみて、営業に対する考え方や神経の使いどころにも変化があったんじゃないでしょうか。
 
澤田　そうですね。以前は対面の商談が当たり前でしたから、既存300社のお客様について、すべてのお顔とお名前が一致していました。けれどもネットに販路を広げてから顔の見えないお客様とのやり取りがぐんと増えたので、営業スタイルもそれに対応したものに切り替えています。注文の連絡は電話かメールのどちらかで、特に電話の場合は急ぎのケースが多いので、ニーズを正確に聞き取り、素早く回答できるように心がけています。
 
石黒　鉄パイプは種類がいくつもあるというお話でしたから、サイズや数をきちんとすり合わせないと間違いのもとですよね。
 
澤田　おっしゃる通りです。メールの場合も、ただ定型文を返すのではなく、1件ずつ、要望されている内容を把握し返信するようにしています。
 
石黒　お互い顔が見えないぶん、より一層の心遣いが大事になりそうです。
 
澤田　本当にそうなんですよ。ネットを通じていろんな業界の方のニーズを知れましたので、今後は鉄パイプのほかにも建設業界以外で売れるアイテムを見つけたいです。鉄だけではなく、プラスチックでもいいし、金型でパイプ以外のものをつくる、メーカーとしての機能を持つことも考えています。これまで出会ってきた仕事仲間と、いろんなものをつくっていきたいので、会社の歩みにしばられず、新しいチャレンジに積極的でありたいですね。あとは、売り上げだけでなく、一緒に働く仲間も増やしていきたいです。
 
石黒　すごく勢いが感じられて、聞いているこちらもワクワクします。