駒田　法律に関して正しい知識を得れば、余計なトラブルを回避することにもつながりますし、渡辺代表のおっしゃるとおり、少しでも早く専門家に相談することが何よりも大切だと思います。今後、渡辺代表が特に力を入れたい活動を教えてください。
 
渡辺　それは「相続の生前対策」です。相続については、当然ながらご自身が亡くなってしまった後では、できることは何もありません。ですから、お元気なうちに打つべき対策はすべて打っておくべきだと考えているんです。特に近年は、認知症で物事の判断ができなくなった高齢者のケースが増えています。このような場合、ご本人の意思がなければ法律上はご親族が銀行口座を解約したり、土地などの財産を処分することもできなくなるんです。
 
駒田　なるほど。残された財産をどうすることもできなくなってしまうのは、大きな問題だと思います。
 
渡辺　ええ。例えば、高齢のご夫婦で、ご主人が認知症になってしまったとします。ご夫婦だとしても、奥様はご主人名義の預金を引き出すことができません。もしも資産をご主人の口座で一元的に管理していたとすると、奥様は生活に困ってしまうことになりますよね。成年後見制度を利用することもできるものの、その場合でも財産を管理するのは認知症になったご主人のためなので、奥様の生活をサポートすることが困難な場合が多いんです。
 
駒田　そのような事態を避けるためにも、先ほどおっしゃっていたように“手遅れ”になる前に早めに専門家に相談しなければなりませんね。