プロフィール 東京都出身。がんを患った両親の最期をそれぞれ自宅で看取った際、自宅看護の大変さを実感したことをきっかけに、理想の施設をつくることを決意する。終末期の患者に最期の瞬間まで自分らしく生きてほしいという思いで、2010年、埼玉県川越市に「はなみずきの家」を開設。2016年に、さいたま市に第2号施設を開設した。患者とその家族の思いを尊重したサポートを行っている。【ホームページ】
人生の終わりを自宅にいるように自由に過ごしたい。その願いをかなえてくれるのが、埼玉県にある施設「はなみずきの家」だ。代表を務める大井真澄氏は、末期がんだった両親をそれぞれ自宅介護で看取った経験を活かし、驚くほど充実したケアサービスを提供している。患者が人生を最期まで楽しみ、尊厳ある生活を送れるよう、患者本人とその家族の気持ちに寄り添いたいと願う大井代表に、取り組みにかける熱い思いをうかがった。
束縛のない自由で尊厳ある生活を実現
大井 がんなどの重い病気で終末期を迎えられた患者様を受け入れる施設です。ただ、通常のホスピスや緩和ケア施設とは異なり、ここでは患者様は思いのままにお過ごしいただけます。最期のときまで、その方らしく尊厳のある生活を送ることができるよう、患者様やご家族を親身にサポートする施設なんです。
杉田 つまり、治療を目的とするのではなく、残された時間を自分らしく自由に過ごせる場所というわけですね。
大井 ええ。患者様ご本人と、そのご家族から細かく要望をお聞きしたうえで、一緒に理想的なライフスタイルをつくっていくんです。食事から入浴、睡眠などの日常生活はもちろん、痛みなどに対する緩和ケアも話し合って決めていきます。
杉田 今までありそうでなかった、新しいサービスだと思います! ますます興味が出てきました。