子どもたちの協調性を育み、“和の心”を養うことを大切にする。それが神奈川県川崎市の「和ごころ保育園」だ。運営する株式会社kokoronakids(ココロナキッズ)の代表は久富有美氏。アメリカ留学中に気付いた日本の良さを子どもたちに伝えるため、10年間の保育士経験を活かし2018年4月に同保育園を開設。LINEを使い保護者に園内の様子を配信するなど、安心して子どもを預けられる取り組みも行っている。
アメリカで日本の良さにあらためて気付く
久富 私は千葉県で三姉妹の末っ子として生まれ、小さい頃からやんちゃでした。毎日、朝から夕暮れまでずっと外で遊んでいたので、男の子と間違われるような女の子だったんですよ(笑)。そんな私も、昨年2017年には娘を出産しました。子育ては大変です。でも、とても楽しいですね。
名高 ご自分が母親になったことで、ますます保育のお仕事にも熱が入るでしょうね。それでは、久富代表が保育園を開設するまでの歩みをお聞かせください。
久富 私は「広い世界を見てみたい」と思い、高校の3年間をアメリカで過ごしました。そして、個人主義の強いアメリカ社会の中で、初めは英語もまったく話せず、友だちもできない、そんな中どうしたら自分を認めてもらえるか考えました。そこで自分の利益よりも他人を優先して行動するようにしたんです。すると、友だちがどんどん増えていきました。そこで、日本人の持つ協調性や和の心を感じて、日本の良さにあらためて気付くことができたんです。帰国後は学習院女子大学に入学しました。そのときに、児童養護施設や病院の小児病棟でボランティアをしたことがきっかけで、保育士を目指すようになったんです。
名高 高校の3年間、アメリカに留学なさっていたんですか。久富代表のご経歴は保育士さんとしては非常にユニークですね。その後はどのような道に進んだのでしょう?
久富 大学卒業後は保育園で働きながら通信制の大学に入り直し、保育士の資格を取得しました。その頃、在学中のボランティアなどの経験を通じて、自分が理想とする保育園を実現したいという思いが募っていました。しかし、保育園の運営をするためには、まず現場を知らなければならないと考えたんです。その保育園にはちょうど10年間在籍して経験を積み、今年4月に独立しました。