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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

 
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インタビュアー 水野裕子(タレント)
水野 システム設計を手がける株式会社ミガリオさん。社名の由来が気になります。  
 
瀬上 逆から読めばオリガミ「折り紙」です。「~テック」というような、システム業界の名前も候補でしたが、「どうせならシステム開発だけではなく、日本の製造業を元気にする会社になりたい! だから和のテイストを感じる社名にしたい」と思い、行き着いたのがミガリオです。
 
水野 なぜ折り紙で、しかも逆から読むようにしたんですか?
 
瀬上 僕らの仕事は、お客様の業務が、時代の変化の中、今となっては無駄の多い作業を見直し、システム化していくことです。つまり、現状業務や社内ルールをまずよく理解し、その上で「お客様」自身に、いま何が無駄で、何をしたいのかを気付かせること。その現状の完成された業務を、ふと「折り紙」にたとえたら、僕らの仕事はそれを解体してるようなものだなぁ、と思い、逆さ読みして「ミガリオ」と名付けました。もちろん、ただの解体屋じゃないですよ。再構築もします。
 
水野 ユニークな発想ですね。そんな御社は、これまでにないシステムを構築中だとか。
 
瀬上 私は約20年、知的財産のシステムに関わっています。そして「知的財産の見える化」は複雑なので、他の業務システムより遅れています。ここで話す知的財産とは主に、特許のことを指します。特許には出願申請や登録、特許権の維持など、定期的に様々な手続きが必要なのはご存じですか?
 
水野 聞いたことがあります。煩わしいし複雑なので、特許事務所があるほどですよね。
 
瀬上 1件の特許でも面倒なのに、メーカーは年間数百件から数千件単位で出願しています。蓄積された十数万件という既得の特許権の管理も必要ですから、毎日何かしらの業務が発生します。その管理が大変なので、皆さんシステムを利用しているわけです。
 
水野 聞くだけで目まいがする件数です。私なら、きちんと管理できるか自信がありません(笑)。
 
瀬上 さらに言えば、特許制度は国によって期限や費用が異なるため、海外の特許を持っている企業はその管理に手間がかかります。さらに社内にも期限や手続きがあるので大変です。
 
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水野 その面倒から解放してくれる救世主が、御社の新システムなんですね。
 
瀬上 まぁ、そうなりますかね。例えば、「間もなく案件Aが○○期限です。費用はこれだけ必要です」とお知らせするのはもちろん、毎年の特許予算の目安を示したり、自社の特許や技術が、他社特許から見たときに、どういう位置付けになるのかを簡単に図表化したりするのが、今回開発中の新システム。それこそが、「知的財産の見える化」です。見える化には他社ツールがあります。しかし、自社の管理案件との関りが弱いので、それを変えていこうと思っています。さらに、特許管理は項目が多いので、入力作業が大変です。その点も、新しい技術を利用して定型業務を、入力しないで済むことを目指します。