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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

大工技術の粋を集めて 
歴史的建造物を守る

 

1000年のロマンを追い求める

 
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矢部 2017年8月現在、御社には何名の従業員がいらっしゃるのでしょう。
 
染谷 今は10人です。最近、若い人も加わりました。
 
矢部 最近は職人を目指す若者が減っていると聞いていましたので、今のお言葉を聞いて安心しました。
 
染谷 ただ、技術を学んでいる途中で、挫折してしまう人もいるんですよ。この仕事はうまくいって当たり前、失敗をするとただちに信用を失います。歴史的建造物などの現場においては取り返しのつかない失敗をしてしまう可能性がありますから、その意味では重責のかかる仕事です。そのプレッシャーに耐えられず、心が折れてしまうのかもしれません。
 
矢部 染谷社長が直々に技術を指導されることはあるのですか?
 
染谷 たいていの指導はキャリアのある従業員に任せていますよ。でも、現場に行くと、ときに違和感があることも。そのように感じるときは、経験の浅い従業員が作業の手順を間違えそうになっていることが多いんです。正しい手順を追わないと無駄な時間がかかってしまったり、材料に傷をつけてしまったりすることもありますから、間違いに気付いたときには直接指導をするようにしています。
 
矢部 なるほど。染谷社長が経験されたような修業でなくて良かった(笑)。
 
染谷 当時のやり方では、みんな辞めちゃいますよ(笑)。今の時代は、職人も紳士的でないといけないと思います。
 
矢部 そう考えてくれる染谷社長のもとでなら、従業員の皆さんも安心して働けるでしょうね。日本木工さんの今後が楽しみになりました。
 
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染谷 今後は若い職人を育てていくために、元請の仕事を増やしたいですね。今は元請さんにお世話になっており、おかげさまで様々な案件を任せていただいております。ただ、竣工後に施主様の喜ぶ顔が見られないという点で、少し物足りなさがあるんです。特に若い人に仕事を教えるときには、やりがいを感じてもらうことも重要だと思いますので、少しずつ、元請工事を増やしていきたいですね。
 
矢部 確かに、やりがいを感じるだけでうんと仕事は楽しくなりますよね。他に何か目標はありますか?
 
染谷 鎌倉時代、室町時代といった中世の建造様式を再現した新築を手がけてみたいですね。また、個人的な目標としては、とことんこだわり抜いた社寺を建造したいと考えています。
 
 
 
「仕事を楽しむ」とは‥
昔からこの仕事が好きでたまらないので、現場で作業をしていることが楽しいです。そしてやりがいを感じ、見た人に感動してもらえたら幸いです。
(染谷武將)
 
 :: 会社概要 :: 
  ■ 社名 日本木工株式会社
■ 本社 〒292-0501 千葉県君津市山滝野1689
■ 事業内容 寺院建築/神社建築/歴史的建造物の修理
■ 設立 昭和40年3月
■ 従業員数 12名
■ ホームページ http://www.nichi-moku.jp