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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

女性視点で配慮に長けた
整理サービスを提供する

 

人の役立ちたいという思いが全ての根源

 
西岡 Arcusさんの信念と聞いて第一に思いつくのは、前回もお話しいただいた「捨てるのではなく分別する」という考えです。
 
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代表取締役の細野英人氏
細野 「捨てる」と「分別」の区別は、今後も強くアピールしていきたいですね。というのも、世間では廃棄物処理業者と整理業者が同じものとして見られる風潮が根強いんです。我々整理業者と廃棄物処理業者との決定的な違いは、故人様が遺されたものを不用品と見るか、見ないかの違いです。不要であるか否かを判断するのは私たちではなく、ご遺族なんですよ。
 
橋本 ですから、いったん「不要です」と言われたものも、3ヶ月を目処に保管いたします。時間が経ってから「やっぱり要ります」と考えが変わることがありますからね。
 
西岡 そうですよね。物の処分って取り返しがつかないことでもあるから、特に当事者にとっては大きな出来事だと思います。それをArcusさんは深く理解してくださっている。
 
橋本 私が惹かれたのも、お客様目線を尊重する細野の理念です。和歌山という土地柄、子どもやその家族が大阪で暮らしている高齢者も多くいます。離れて住む親と子の両方の気持ちを汲み取ったサービスに徹し、「整理業=面倒な作業を代役する業者」と考えない姿勢に共感したんですよ。また、運送業の将来についての考えを聞いたことも大きかったですね。
 
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西岡 橋本取締役は、Arcusさんに来る前は運送業一筋だったそうですね。
 
橋本 はい。車の運転が好きだったので、ずっとドライバーでやっていきたいと思っていました。ただ、和歌山をはじめ日本全国で高齢化が進み、人口が減っていく中で、「運送業だけが本当に人から求められる仕事なんだろうか」と細野から言われたんです。単身暮らしの高齢者が多い和歌山では、整理業を必要とする方も多いのではと私自身考えるようになりました。
 
西岡 自分が好きなことを仕事にする考えから、一歩進んで、人の役に立てることは何かを考えるようになったんだ。そういう将来のビジョンを提示されるところに、細野社長の経営手腕を感じますね。
 
細野 実はスティーブ・ジョブス氏からヒントを得たんですよ(笑)。彼はiPhoneではなく、iPhoneによって人の暮らしがどう豊かになるか、つまりビジョンを提示しました。そういう将来のストーリーを考え、伝えることが良き経営者だと思いますね。