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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

人と企業の幸福目指し
町医者社労士が行く

 

周囲への感謝の気持ちで価値観は変わる

 
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山本 僕の場合、チーム内の上下関係を抜きにして全員に“声かけ”を心がけました。うとまれるくらいに声をかけていると、相手も心を開き、小さなことでも話してくれるようになるんです。そこで得た情報をヒントに、上下間のわだかまりが生じないよう調整を行っていました。
 
古川 大手企業の場合、人間関係にひずみが生じると配置換えなどで対応できますが、中小企業の場合はなかなかそうはいきません。表面上は問題を解決できても、当事者間のわだかまりは残ったままになり、後にそれが大きなトラブルとなることもあります。
 
山本 ひずみを生じさせないために、同じ目標を定め、その達成に向けて選手全員に自分の役割と責任感をより意識させるよう努めました。選手の個性を認めながら、チーム内での役割を全うさせてあげる。もちろん、ベンチの選手にも大切な役割があり、そうした役割をチーム全員がリスペクトし合うんです。
 
古川 なるほど、企業でも同じことが言えますね。仕事は1人で行うものではなく、組織で行うものですから、自分が動くことで周りが動けているという考え方ではなく、周りが動いてくれるからこそ自分も動けているという感謝の気持ちが大切です。それに、物事を自分だけの視点で見れば1つの判断しかできなくても、他の人は別の視点から見ているかもしれません。他の人の視点も取り入れることで視野を広く持てば、仕事の価値観は自然に変わると思うのです。
 
山本 それには、知らず知らずのうちに視野が狭くなっていることを気付かせてくれる相手が必要でしょう。一般社員であれば管理者が、管理者であれば経営者が気付きを与えられますが、経営者には気付きを与える人がいません。ゆえに社労士には、経営者へのアドバイザー的役割が求められますね。
 
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古川 そうですね。ただ、信頼関係なくしてはアドバイザーも務まりません。そこで私は用件をできる限りメールや郵便で済ませず、お客様とお会いし、信頼関係を培うようにしています。世間話になっても構わない。会話の中で、困りごとや悩みの糸口を見つけ、助言を行うようにできればと思うのです。
 
山本 経営者は、多くの不安と戦っています。古川代表のように、気軽に話ができる相手がいれば、そうした不安を小さいうちにつぶすことができるでしょう。経営者にとってありがたい存在ですね。
 
古川 ありがとうございます。実は、開業当初から、労務や法律に関するトピックス、助成金の案内などをまとめた「オリジナル・スマイル」という情報誌をお客様にお届けしておりまして、2017年5月で、ついに発刊から50号を数えます。今後も、開業当初のスタンスをずっと変えることなく、町医者のように頼られる社労士であり続けたいですね。事務所を大きくするより、今後どれだけ多くの人に喜んでいただけるかをテーマとして、仕事に励みたいと思います。
 
 
 
「仕事を楽しむ」とは‥
仕事は1人でやるものではありません。周りに支えられ、生かされていると知れば、自ずと感謝が生まれます。会社があるから、みんながいるから仕事ができる、自分は会社に必要な人間なのだと考えれば、簡単に「辞めたい」と思うこともなくなり、楽しめるようになるのではないでしょうか。
(古川政明)
 
 :: 事業所概要 :: 
  ■ 事業所名 ふるかわ社労士事務所
■ 所在地 〒520-2144 滋賀県大津市大萱1-18-2 瀬田大昭ビル4F 404号室
■ 事業内容 労使関係・安全衛生・就業規則などの相談・手続き業務/セミナー講師業/執筆業
■ 設立 平成25年4月
■ 従業員数 1名