石黒　合同会社渡邉ケアーサービスさんでは、家事代行やシニアのための生活サポートなどを手がける「家事代行・長生きさん」というお店を運営しているそうですね。料理、掃除、洗濯、買い物の代行からお話し相手まで、日々の暮らしに欠かせない様々な支援をお願いできると聞きました。このような事業を始めたきっかけを教えていただけますか。
 
渡邉　もともと私は、食料品店や惣菜店を経営していました。でも、母が要介護状態になってしまいましてね。男が女性の世話をするのは難しい部分も多いので、妻にも介護を手伝ってもらっていたんです。家事や店の手伝いに加えて介護まですることになって、彼女はとても大変だったと思います。
 
石黒　介護はもちろんですが、仕事や子育てに追われて自分の時間を持つことができない女性は多いですね。
 
渡邉　ええ。それに、家事の価値を正当に評価しない社会の風潮というものがありますよね。そこで私は自分の体験も踏まえて、家事全般を代行して女性やシニアの自立をお手伝いしたいと、昨年の2016年6月に弊社を立ち上げたんです。
 
石黒　私には3人の子どもがいます。全員が中学生以上になったとき、ようやく自分の手を離れたという実感がありました。でも、それまでは大変な生活が続きましたね。赤ちゃんの頃は夜中でも泣いたらあやさなければならないし、幼稚園に入ったら朝早く起きてお弁当をつくり、毎日の送り迎えもしなければなりません。振り返ると、子育ては楽しかったですけど、当時はストレスで髪の毛が抜けるんじゃないか──というほど辛いこともありました（笑）。