新築時には美しかった住宅の外壁や屋根なども、築10年を超えれば劣化し、水垢や苔がついて美観を損なう。さらに防水・遮熱機能も失われ、放置すれば建物自体を傷めてしまいかねない。みらいホーム株式会社の熊坂治樹代表取締役は、そうした事実を知らない人たちに向け、塗装のプロとして建物の耐久性や居住性を高めるためのアドバイスと施工を行っている。丁寧な仕事を信条とし、職人を自ら育てる熊坂社長のこだわりに迫った。
外壁の色選びはプロのアドバイスを参考に
熊坂 はい。戸建てやアパート、マンションなどの外壁や屋根の塗装、コーキング、防水工事などを行っています。
山本 僕は今まででマイホームを2度建てたことがありまして。でもその際に外壁の色選びで失敗したことがあるんです。業者さんからいただいたサンプルを見ながら、最終的に白い外壁を選んだのですが、仕上がりを見るとイメージとは違って・・・。小さなサンプルを見て、家の全体像を想像するなんてできませんでした。
熊坂 そうでしたか。そもそも塗装の見本は600種類くらいありますから、選ぶのに相当悩みますよね。私自身は打ち合わせの際に、お客様のご要望に職人として違和感を抱いたら、必ずアドバイスを差し上げるようにしています。例えば、山本さんのケースのように外壁に白い色を塗ってしまうと、数年経ってから水垢や苔が目立つようになってしまう可能性がある。また、手すりなどを白色で塗装した場合も、下地の錆や手垢などで見栄えが悪くなってしまうことがあるんです。
山本 そうですよね・・・。今思えば、やっぱり暗い色にしたほうが良かったかなあ。