「人生に無駄はない」が
ものづくりを支える原点
完成した機械をイメージし逆算して製造する

森田 いや、実は砥石に付着する銅メッキを剥がすことができず、使い捨てにするしかないことがわかり、実用化はできませんでした。とても画期的な技術だったのですが失敗に終わったんですよ。
三浦 でも、誰も思いつかなかった発想をして、実際に機械をつくり上げてしまう意気込みはすごいですよ。失敗を繰り返しながら常識破りのものづくりをする。森田社長が学生時代からチャレンジ精神を持って、ものづくりに励んでいらっしゃったのがわかるエピソードです。大学卒業後は、やはり製造業の会社に入社したのでしょうか。
森田 はい。一部上場企業の工場で働きました。ただ、就職ではなかったんですよ。給料をもらわずに仕事をする丁稚奉公のようなものでした。
三浦 えっ!? どうしてですか?
森田 「給料はいらないから、できるだけいろいろな現場で働かせてほしい」と、私からお願いして働かせてもらったんです。普通、工場勤務をすると1つの現場で長く働くものなんですね。でも私は、製造業のユーティリティープレイヤーを目指していましたので、生産の仕事を3ヶ月でマスターし、次に技術課で設計を担当させてもらいました。その後もあらゆる治工具の設計をこなし続け、知識と技術を磨いてきたんです。
三浦 森田社長のものづくりに懸ける情熱には、並々ならぬものを感じます。無給ででもやりたいと思うなんて、それだけ、ものづくりを楽しまれていたんでしょうね。
森田 本当にそうですね。人が思いつかない治工具を完成させた時の快感は、説明できないくらいに嬉しいものです。それに、設計の仕事は完成した治工具をイメージし、そこから逆算して始める。そのためにゴールにたどり着くにはどの道を進めばいいか、それを考えるのが楽しくて仕方がないんですよ。

工場内を見学。機械の説明を受ける三浦さん
森田 ええ、ものづくりの仕事が大好きなスタッフばかりです。だから、お客様の求める性能以上の治工具を当たり前のようにつくってくれます。