プロフィール 東京都出身。高校卒業後はガスの工事代理店に入るも、足を怪我し退社。リハビリをしながらレンタカー会社で働きつつ、経験した福祉ボランティアで、人の役に立つ喜びを知る。それを機に介護業界に入り、訪問入浴の会社や介護施設で計10年勤務。その後は観光バスや介護タクシーの運転手を経験し、数々の恩人との出会いも経て、(株)かご屋の設立に至った。【ホームページ】
東京都世田谷区の株式会社かご屋は、タクシーのような気軽な利用を目指した民間救急搬送サービスを提供している。在宅介護と介護施設の仕事に計10年間従事し、観光バスの運転手も経験した木原正昭代表は、双方の経験を活かしながら「人のために働きたい」という一心で起業したという。介護や看護スタッフの補助で通院や転院だけでなく、買い物や旅行にも行けることを世に広めるべく、木原代表は日々、奮闘している。
10代で人の役に立つことの喜びを知る
木原 私は高校卒業後、ガスの工事会社に入社したのですが、3ヶ月ほど経った頃に足を怪我して退職することになってしまいましてね。当時、お付き合いしていた女性が福祉関係のボランティアをしていたので、足が治ってからはその現場でお手伝いをするようになりました。その時、人のために働くことがとても嬉しく感じられたんです。
相原 福祉の世界でやりがいを感じたわけですね。
木原 はい。その後は、19歳で在宅介護を手がける会社に入社して訪問入浴を8年間担当し、ショートステイ専門の介護施設にも2年間勤務しました。ここで出会った西啓三さん(現・社会福祉法人奉優会・特養事業統括部長)は私の恩人の1人。「利用者様の目線でものを見て行動しなさい」と、介護のいろはを教わりました。
相原 その後は、いよいよ独立を?
木原 いえ、実はその前に、運転好きだったために観光バスのドライバーに転職したんです。そこで5年間勤めた後に介護と運転が両方できる介護タクシーに興味を持ちました。その後は独立ありきで1年間の修行を快く応援してくださった、民間救急搬送サービスの会社である株式会社Smile Care(スマイル ケア)に入社。事業について一から学ぶこととなりました。そちらの会社からは独立した後も仕事を回していただくことが多く、田中浩二社長には今だにいくら感謝しても感謝しきれません。
相原 たくさんの方の支えがあって、独立を果たすことができたんですね! では民間救急搬送サービスとはどのような事業なのか、改めて教えていただけますか。