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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

 

研修で自己尊重感を高め
次世代を担う人材を育成

 

生きる希望と力をくれた「ほめ日記」

 
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ほめ日記の指南書と山田社長のほめ日記
タージン 山田社長が人材育成の事業を手がけられるまでには、どのような道のりがあったのでしょうか?
 
山田 夫の仕事の関係で関東に移り住んでからは、8年間専業主婦をしていました。幼い子どもと1日中狭い部屋の中で一緒に過ごし、育児に追われる毎日・・・。その生活に疲れ果て、しまいにはうつのような状態になってしまいました。
 
タージン それは大変な経験をされましたね。その状態からどうやって抜け出されたのですか?
 
山田 少しでも子どもといい関係になりたくて、コミュニケーション学や心理学の本を読んで勉強したんです。そうして知識は得られましたが、実践はできず苦しんでいた時に、自己尊重感を高める「ほめ日記」の創始者である手塚千砂子先生の講演を聴く機会がありまして。
 
タージン 「ほめ日記」とはその時に出合ったんですね!
 
山田 ええ。その講演で手塚先生は「自分を大切に思う気持ち」、つまり自己尊重感が大事だとおっしゃっていて。その時に自分に足りないのは知識じゃなくて、その自己尊重感なんだと気付いたんです。思えば、私は子どもをうまく育てられないと自分を責めてばかりいました。でもそれからは先生の言う通り、自己尊重感を高める「ほめ日記」を書き始めてみたところ、心が軽くなり、すごく元気になりました。
 
タージン それだけ大きな効果があったわけですね!「ほめ日記」にはどのようなことを書くんでしょう。
 
山田 今日の出来事を振り返り、自分の行動や内面等をほめ言葉を使ってほめるのです。「○○している自分はとても素敵!」というふうに。例えつらい時でも「大丈夫、きっとうまくいくよ」と自分を励ます言葉を記していく。私が「ほめ日記」を書き始めて10日目ぐらいだったでしょうか。書きながら、ふと「私って生きていていいんだ」と思って、涙がボロボロとあふれ出してきたんです。あの時の感動が、今の私の行動へのモチベーションにつながっています。
 
タージン 「ほめ日記」に救われただけでなく、その後の行動への後押しにもなったと。
 
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山田 はい。ですからこの「ほめ日記」や自己尊重感の大切さを世に広めるために、子どもが少し手を離れた後は、自宅で学習塾を始めました。
 
タージン なるほど。初めは自己尊重感の考え方を教育に応用しようとしたわけですね。
 
山田 ええ。知識を付ける前に、まずは子どもたちが「自分を好き」だと思える塾をつくろうと考えました。ただ、その考えを親御さんたちに伝えるのは難しく、生徒集めに苦労してしまって・・・。それなら他の方法でもっと広く考えを伝えていくことはできないかと考えていたところ、知人から企業研修でマナーを教えてみないかと言われたんです。それならかつて学んだコミュニケーション学や心理学の知識を活かしながら、自己尊重感の大切さについても伝えられると思い、人材育成の道に進むことにしました。