追随を許さぬ匠の研磨で
金属に息吹をもたらす
驕らず、いっぽうでプライドを持ち続ける
城 お父上でもある会長はいまだ現役の職人でもあるとうかがいました。今野社長にとって、会長とはどのような人物なのでしょう。
今野 雲上の人かな。「追いつけ追い越せ」と言われますが、正直、追いつけても追い越せる気がしません(笑)。これまでにいろいろな上司にお世話になりましたが、父が最も尊敬できる上司ですね。
城 会長の、どんなところが優れていると思われますか?
今野 どこというわけではなく、何気ない一言、何気ない行動が物事を円満に進めるというのでしょうか。気が付いたらうまく行っていたと感じたら、実は父が裏で骨を折ってくれていたということがよくあります。
城 魅力のある方って、自分は力を持っていてもそれを顕示しません。かたや欧米帰りのプロサッカー選手の多くが帰国後、ダメになってしまうのは、驕りを抱いてしまうからなのだと思います。かくいう私もそうでしたから。
今野 城さんほどの方でも驕りが出るんですね・・・。職人の世界でも、驕るわけではないにしろ、若い人が頭を下げて技術を請うのが当たり前だとか、技術は目で見て盗むものだといった考え方を持つ人がいます。けれども父は「良いものをつくるために、みんなで楽しくやろう」といった考え方で接しているんです。
城 目で盗むという考えも否定しませんが、見ているだけでは伝わらないこともあるし、何より承継に時間がかかりますよね。
今野 その通りです。ただ、上の人が心を開いた時には、下の者は情熱を持って、本気で技術を学ばなければなりません。仕事に情熱を持ってこそ技術習得も可能になるし、高い技術を持つというプライドがあってこそ、お客様にご満足いただけるものを提供できると思っています。
城 確かに、思い上がってはダメですが、プライドは必要ですよ。最後に、今後の抱負をお聞かせください。
今野 現在の仕事に文字通り“磨き”をかけ、既存のお客様にはより満足していただけるよう、そして新しいお客様も増やせるよう、努めていきます。他方、近隣のものづくりの仲間たちからお声がけいただき、6社からなるものづくり集団「ろっくす」という会を、弊社もその一員として立ち上げました。幅広い分野の仲間がそろいましたので、例えば加工から梱包まで一貫して請け負うような受注形態が可能になると考えています。
城 間口が広がりましたね。日本のものづくりを盛り上げるため、皆さんには頑張っていただきたいと思います!
「仕事を楽しむ」とは‥
お客様に喜んでいただくことが大前提ではありますが、仕事とは、究極の自己満足。自分で納得していないものをお客様に出すわけにはいきません。磨き上がりを見てニヤニヤしながら「これならいいだろう」と思ったものがお客様に喜ばれると、すごく楽しいですね。
(今野貴生)
:: 会社概要 ::
■ 社名 | 有限会社コーエイ | |
■ 本社 | 〒343-0826 埼玉県越谷市東町5-190-1 | |
■ 事業内容 | 金属研磨 | |
■ 設立 | 昭和46年10月 | |
■ 従業員数 | 8名 | |
■ ホームページ | http://ko-ei-polish.com |