高い技術力と強い絆で
心地よい空間を保持する
この道20年以上! 関東屈指の技術力
三浦 社会人としてのスタートも、この業界だったのですか?
岡本 いえ、最初は定時制高校に通いながら板金工場で働き、卒業後もそのまま勤めました。その工場が閉鎖され、空調設備メンテナンスの会社に入ったのが25歳の時。そこで下積みを経て、本格的に技術を習得したんです。当時は、今では考えられないくらいの建設ラッシュでしたからね。とにかく場数を踏んで、腕を磨くことができました。
中村 実は、岡本は前職時代、空調機メーカーの社長に「関東で5本の指に入るサービスマンだ」と全幅の信頼を置かれていたんですよ。今も同業者が対応できなかった修理を請け負うことがあります。
三浦 それはすごい! それにしても空調設備メンテナンスには広範な知識が必要とのことですから、一人前になるには相当な時間がかかるのでしょうね。
岡本 点検ができるようになるのにおおよそ3年、熱交換器の修理ができるようになるには5年ぐらいかかるでしょう。実は、私は中村のお父さんが社長を務めておられた会社で26年間働いておりまして、その方に育てられたと言っても過言ではありません。その後、社長が代表を退いた後に独立した次第です。中村をはじめ、技術や事務、営業スタッフなど、合計10人が私についてきてくれたんですよ。
三浦 ほう。岡本社長は、人望が厚いのですね。
岡本 いえ、心配だからついてきてくれたというのが本当のところでしょう(笑)。それでも、経営者という責任ある立場に立ち、独立当初はプレッシャーで夜も眠れない状態でした。何しろ、私がコケたら、従業員やその家族までもが路頭に迷うわけですから。
三浦 お気持ち、お察しします。ヴィッセル神戸に在籍時代、カズさんからキャプテンを引き継いだもののJ2に降格し、僕もすごくプレッシャーを感じました。ワールドカップを目前に控え、J1チーム移籍の話もありましたが、「自分だけチームを捨てられない。J1に復帰させるまでが自分の仕事だ」という責任感で、チームに留まることを決断しましたから。