プロフィール 埼玉県出身。大学卒業後に外資系の製造業に就職。10年ほど勤めた後、見聞を広めるため、経営コンサルタントに師事し、コンサルティング会社を設立する。しかし、経営がうまくいかず負債を抱えて退職。1989年、再起を図り知人とともに(株)コンサルティング・フェア・ブレインを設立。経営改善や各種研修事業などを実施し、事業を軌道に乗せた。本業の他にも多くの仕事を手がける中で、福祉系のNPO法人での経験を活かし、2011年に(株)がくどう舎を設立した。【ホームページ】
埼玉県所沢市で障がいを持つ子どもたちのための放課後等デイサービス施設を運営する、株式会社がくどう舎。代表取締役の関根利和氏は経営コンサルタントを本業にしながら、長らく福祉系のNPO法人で会長職を務めてきた。児童福祉法で障害児通所支援事業が改正され、国や県の運営基準を満たせば株式会社の運営も可能になったことを受け、施設の経営に、いち早く乗り出した関根社長。その行動に秘められたのは「人や社会に貢献しながら生きる」という思いであり、「赤字にも黒字にもしない」という斬新な経営理念だった!
遊びや生活を提供し療育するデイサービス
宮地 障がいを持つ子どもたちのためのデイサービス「Kikkori(木子里)」と、「Kikkori terrace(木子里テラス)」を運営していらっしゃる「がくどう舎」さん。初めに、このデイサービスとはどのようなお仕事なのか教えてください。
関根 当施設では、障がいをお持ちの小学生から高校生までのお子さんを放課後から夕方までお預かりして、生活能力向上のために必要な訓練や、社会との交流を促進するサービスを提供しています。私たちはこうしたサービスを「療育」と呼んでいます。
宮地 ただ預かるだけでなく、自立支援を目的としたサービスなんですね。定員など施設の規模はどのくらいなんですか?
関根 両施設とも定員は10人。お子さん2人に対して1人のスタッフがつく態勢になっています。国の基準では、障がい児施設は子ども10人に対してスタッフ2人と定めていますが、当施設はさらに手厚く、きめの細かいサービスを目指しているのです。
宮地 それは素晴らしいですね! 「Kikkori」さんがスタートしたのは2013年からとうかがいました。どのようなきっかけがあったのでしょう。
関根 大きなきっかけは児童福祉法が改正されて、障がい児施設の運営に株式会社が認められるようになったことですね。