プロフィール 熊本県出身。工業デザインを志して日大芸術学部に進学、試作模型会社に就職。ミニチュア制作会社に転職した後、個人として活動した期間をはさみ、2005年10月に(有)ハルジンを設立した。テレビ、映画、CM等の撮影用ミニチュア、展示用模型、FRP造形などの立体造形を得意とし、平面の図面・図案から立体物をつくり上げるプロとして、最近はテレビ番組で使われる小道具や撮影セットなどの依頼を中心に業績を伸ばしている。【ホームページ】
テレビドラマなどで 「これは誰がつくっているのだろう」 と不思議に思う小道具や特撮セットを見ることはないだろうか。一点物の特注品として、そこには職人の “技” と “魂” が込められている。ウルトラマンシリーズや戦隊ものの他、人気ドラマの小道具制作に関わる有限会社ハルジンの神保正裕代表取締役に、制作の難しさや仕事へのこだわり、プロ意識を聞いた。
人気テレビ番組のリアルな立体造形
長澤 有限会社ハルジンさんでは立体模型を制作されているとうかがいました。テレビに出てくる作品もあるのでしょうか。
神保 はい、ここ数年、テレビのお仕事が一段と増えまして、ウルトラマンシリーズの戦闘機などもつくっていました。長澤さんは 『ウルトラマンマックス』 に出演されてましたね。
長澤 そうなんですよ! 私、戦隊員が乗る戦闘機がカッコよくって大好きなんです。こういうところでつくられていたんですね~。
神保 最近では 『JIN-仁-』 をはじめ、『坂の上の雲』 『MR.BRAIN 』 『南極大陸』 『メイドインジャパン』 『ATARU』 『TAKE FIVE』 『空飛ぶ広報室』 などのセットや小道具を手がけています。
長澤 制作物一覧を拝見しますと、最近見たばかりのものもあってワクワクします。こちらにある大きな生き物の模型は何ですか?
神保 環境衛生の会社から依頼があったトコジラミ、つまり昔で言う南京虫の模型です。実物の100倍の大きさです。
長澤 きゃ、シラミ! でも、さすが、細かいところまで再現されています。グロテスクなぐらい・・・(笑)。ミニチュアサイズにするだけでなく、小さなものを大きくする案件もあるんですね。