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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

確実な収益を望む顧客に
不動産を“育てて”販売

 

重圧はある。でも、毎日が楽しくてたまらない

 
矢部 では、3つめの理由は何でしょう?
 
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小暮 これが最たる理由なのですが、「50歳になっていた時、今のままで笑っていられるか」 と自問自答を繰り返したこと。安定した立場とはいえ、何かを始めたい情熱をくすぶらせたまま仕事をこなして50歳を迎えた時に、心の底から笑えるのか、笑えたとしても、それはサラリーマンの作り笑いになっていないか、と。それで50歳までの10年を、経営者として生きる決意をしたのです。
 
矢部 それは大英断でしたね。実際に起業されてみて、いかがですか。
 
小暮 プレッシャーは相当大きなものがあります。会社勤めとは違い、真面目に働いても実績が出なければ収入はゼロ。ですから不安な時もありますが、元来が負けず嫌いですし、退職前に辞意を取り消すよう勧めてくれた上司や同僚に、「それ見たことか」 と言われたくないので、がむしゃらに働いていますよ(笑)。
 
矢部 でも、そうしたプレッシャーを感じさせないくらい、小暮社長の顔は生き生きとしていますよ。
 
小暮 事務のスタッフにも言われるんですよ、「どうして社長は毎日、そんなに楽しそうなんですか」 ってね。でも、どうしてもこうしてもない、仕事をするのが毎日、本当に楽しいんです。
 
矢部 仕事が楽しめているのは、選んだ道に間違いはなかったということなのでしょうね。
 
 

売主として胸を張れる物件を提供

 
小暮 当社では不動産という高額商品を販売しています。だからこそ、気持ちには余裕を持っていたいんですよ。これがもし不動産仲介の会社だったら、私はガツガツして仕事を楽しめていなかったかもしれません。
 
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矢部 確かに、賃貸住宅を扱う会社に行くと、こちらが身構えてしまうような勢いでセールスされる方もいます。
 
小暮 必死になってしまうのは、彼らが1件あたりの手数料で収益を上げているからなんです。売主ではないから、取引が終了すればほとんど責任もないですしね。
 
矢部 へえ、仲介業者って、取引後の責任がないんですか?
 
小暮 致命的な欠陥や説明不足があれば別ですが、売主のような責任はありません。いっぽう、当社では一旦不動産を購入し、手を加えてから買主に売り渡す仕組みですから、売主として2年間は法的責任があるんですよ。
 
矢部 なるほど、いいかげんな物件は売れませんね。
 
小暮 さらに、付加価値の高い物件をお売りしなければなりません。この時世、普通のマンション・アパートでは誰も買ってくれませんから、収益性の高い物件になるよう加工しなくては。