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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

 
プロフィール 佐賀県唐津市出身。大学卒業後、NET朝日制作(株) 〔現・テレビ朝日映像(株)〕 に所属し、テレビ番組の制作に携わる。その後、東映(株)教育映像部で様々なジャンルの社会教育映画を脚本・監督する。1995年に発生した阪神淡路大震災を機に、防災教育の必要性を実感。同年、(株)映学社を立ち上げ、現在に至る。防火、防災、交通事故防止など、命と関わるテーマを取り上げた作品の実績は多く、海外や国内の映画祭で数多く受賞するなど、高い評価を得ている。
 
 
 
未曾有の大災害に直面し、甚大な被害を被った東日本大震災。一刻も早い復興が最優先であるのは当然だが、同時に、再び同様の悲劇に見舞われないための予防策を講じる必要性もある。突然の自然災害を前に、私たちはどのように対処をすれば良いか。正しい判断をするためには、日頃の教育が必要だ。防災教育をはじめ数多くの教育映像の制作を手がける社会教育映画のトップランナー、株式会社映学社の代表取締役、髙木裕己氏に話を聞いた。
 
 
 

1995年の創業以来、一貫して
教育映像を専門に制作を続ける

 
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インタビュアー 矢部美穂(タレント)
矢部 今日は株式会社映学社の代表取締役、髙木裕己さんのお話をお聞きします。こちらは映像制作の会社ですよね。
 
髙木 そうです。しかし、私どものように1995年の創業以来一貫して教育映像を専門に制作を続ける会社は、全国的に見ても大変珍しいと思います。
 
矢部 教育映像といいますと、どのような作品なのでしょう。
 
髙木 教育映像には、主に学校教育と社会教育の二つがありますが、弊社では、社会教育映像の作品を多く制作しています。たとえば、防火、防災、交通をテーマとしたもので、その時代、時代に必要なものを企画・制作しています。皆さんに最も馴染み深いのは、免許更新の際に警察署で上映される交通安全教育の映像でしょう。また、生涯教育として、高齢者問題、大麻などの薬物乱用防止、自殺防止など、ジャンルも多岐にわたっています。
 
作品例1:社会教育映像の 「今すぐ防げ大麻汚染」(ダイジェスト版)
矢部 自分の意志で鑑賞するものではないですから、飽きられないようにするのも大変ではないですか。
 
髙木 そうですね。教育映像の場合、説得力のある映像になっているかどうかが大事ですね。その映像を見てもらい、問題を提起して、考えてもらわなければいけませんからね。そして、カメラワークやカットなど、これまでに蓄積してきた “飽きない映像を作るノウハウ” を駆使して制作しています。また、正確な情報が入ってなければいけません。今、原子力エネルギーや放射性物質などをテーマにした作品に取り組んでいますが、いかに危険であるかという情報が少ないので四苦八苦しています。