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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

 
プロフィール 千葉県出身。高校卒業後、先輩の勤める塗装業者に弟子入りして修業する。2001年に塗装職人として独り立ちし、以降、様々な現場を経験した。必要に応じて知人を臨時雇用するうちに受注が漸次拡大し、2008年に(株)若生塗装を設立。現在は6名の職人を正式雇用し、集合住宅や商業施設の塗装請負事業を幅広く展開している。何よりも調和を大切にする姿勢で、顧客・スタッフからの信頼も厚い。
 
 
とかく物事を始めるときは、赤子のように真っさらな心のままに、イロハのイから学んでいく。素直な気持ちで物事に向き合い、見つめれば、それぞれが個性を主張して鮮やかな色を香らせていることがわかってくる。「真っ白な気持で目の前の仕事と向き合い、調和の中から本当の色を見つけていく」 という株式会社若生塗装の若生大蔵氏の言葉には、色を扱う塗装職人が決して見失ってはならない基本の姿勢が宿っていた。
 
 

時は移ろえども色の香は失われず

 
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インタビュアー 川﨑麻世(タレント)

川﨑 千葉県鎌ヶ谷市にある若生塗装におうかがいしています。塗装会社を始められてからもう10年目ということですが、どういった現場のお仕事が多いですか。
 
若生 独立当初は一般住宅の仕事がほとんどでしたね。でも、一般住宅の内装は壁紙が主流になってきて、現在はマンションの大規模改修や、店舗の新築や改装に伴う仕事の比率が高くなっています。
 
川﨑 実は、僕の親友も塗装職人をしていて、「最近の家は外装も含めて塗装をしなくなった」 と嘆いていました。バブル時代はとても忙しく、羨ましいほど儲かっていたようですが、最近では仕事がめっきり減ってしまって、暇そうにしていますよ。
 
若生 一番大きなお得意さんになるはずの一般住宅が、ただでさえ不況で新装・改装需要が低迷していますからね。ホルムアルデヒドなどの問題で叩かれましたし、お客様がどうしても化学塗料での塗装を敬遠してしまうようです。
 
川﨑 一般住宅の需要が持ち直してくればいいですよね。でも、マンションや店舗やショッピングモールの塗装も、一般住宅より多彩な色づかいが要求されるし、面白くていい現場なんじゃないですか。 
 
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店舗改装の塗装施工例
若生 そうですね。一般住宅は茶系統のハウスカラーに固定されがちですが、マンションはだいたいに開発コンセプトというものがあって、それに即した微妙な色づかいが求められます。特に店舗関係は全体のデザインや壁紙、照明、エクステリアとの調和を図りながら自分たちの塗装を映えさせるわけですから、職人冥利に尽きる部分がありますね。ですから、技術・規模・距離の面で多少チャレンジングな現場であっても、来た仕事は引き受けてきました。