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1、 連日気になる一国の議会決定

 
 本題に入る前に、気になってしょうがなかったことに触れてみたいと思います。
 ヨーロッパを中心とする 「西」 優位の時代が始まったのは、6世紀以前は別として、18世紀後半の産業革命(エネルギー革命) で 「東」(中国を中心としたアジア) を突き放してからです。そうです、なんと 「東」 優位の時代は1200年も続いていたのです。この1200年間は、「エネルギー消費」「都市化の進み具合」「情報技術」「軍事力」 の4項目からなる社会開発指数において西より東が勝っていたのです。
 ところで先月は、普段全く気にもかけなかったスロバキア議会の動向から目が離せなくなっていました。なぜか? それは産業革命以来200年以上続いている 「西」 優位の時代が終焉し、「西洋の没落、東洋の復権」 の分岐点となるかもしれない今回のスロバキア議会の行方がどうなるかに、はらはらしていたからです。
 先月の10月13日、スロバキア議会はギリシャ債務危機拡大を防止するための欧州金融安定化基金(EFSF) の拡充策を賛成多数で承認しました。これによって欧州単一通貨ユーロ圏17ヶ国すべてで議会承認を終え、「ギリシャ悲劇」 が 「ユーロ悲劇」 に拡大して、一歩間違えば「ユーロ破綻」に繋がるところでした。しかし首の皮一枚でそれを食い止めることができました。
 リーマンブラザーズの破綻から3年、そして 「ユーロ危機」。近年の西の混迷ぶりは没落と断じられても仕方がないでしょう。いっぽう、アジア開発銀行発表による2011年のアジア・太平洋45ヶ国(日本など先進国を除外) の経済成長率の見通しは、下方修正しても実質7.5%の高成長だそうです。
 ひょっとすると、産業革命以来の西高東低が訪れるかもしれない事態が、この数週間の間に起っていたのです。このあたりを、「大和魂」「和魂漢才」「西洋支配の理由」「西洋流民主主義と漢魂」 といったキーワードで分析しているのが、日本経済新聞コラムニスト土谷英夫氏の日経記事 「西洋の没落、東洋の復権?広がる『洋才』 試練の『洋魂』」 という記事です。
 産業革命時代の日本に複式簿記が普及していたらまた違った展開になったかもしれないということは本稿で何度か触れてきました。別の視点ではあるものの、土谷氏の記事が気になって手元に置かれており、私なりの感想も加えたいとも思ってはいます。
 しかし今月号は、今週起こった身近な出来事から、お金にまつわる話をしましょう。前置きが長くなってしまいましたがこれからが本題です。
 
 

2、一週間で連続三件のお葬式

 
 先週末の土曜、日曜の二日連続、そしてその三日後と、集中して葬式に参加しているうちに、いろいろな感慨を持つにいたりました。

A、人が死ぬと、いったい幾ら位のお金がかかるのだろうかとの疑問
B、人が死ぬと、何人の方々が短時間の間に集まりその経済効果はいかほどかとの疑問
C、上記疑問の経済効果算定の基礎となる葬儀参集人員の予測方法の疑問

 Aの疑問は、故人側の家計に及ぼす影響額の問題です。まず死亡時の医療費の清算、葬式費用、お寺への支払、相続税の申告費用、名義変更等の諸手続き費用等々がのしかかってきます。
 Bの疑問は、葬儀参列者側の家計に及ぼす影響額の問題です。故人と係わりのある人々が、死亡してからごく短時間の間に、数百人規模で故人を偲んで集まってくる、言葉を変えると動員されることに伴う、経済効果はいかばかりなのかという問題です。
 Cの疑問は、A及びBの影響額の算定基礎となる葬儀参列予定者の人数推測方法はどのようになっているかとの疑問です。参列予測総人員のうちお通夜だけに来る方、告別式だけに来る方、両方に参列する方、この人数把握が大事になります。
 先週末のお通夜では、お寿司がだいぶ余ってしまったようです。私がもったいないな、と思ってもしょうがないのですが、人数把握の誤りが原因でしょう。一番困るのは、お清めの塩の入った会葬御礼が不足してしまうことです。まあそこそこのゆとりを持って印刷をしているはずですが、私の父の葬儀の時は、参列人員とほぼ同じ印刷枚数で、「足りなくなったらどうしようと思った」 との裏話を葬儀屋さんから聞かされました。
 
 

3、人が死ぬと幾らの出費となるのか?

 
(1)葬式費用はどのくらいかかるのか
 まず葬儀屋さんに支払うお金。今はネットで調べると案内はいくらでも出てきます。火葬式プラン、家族葬プラン、一般葬プラン、社葬プラン・・・いろいろあります。また無宗教葬、仏教式葬儀、キリスト教式葬儀、神式の葬儀と、宗教による違いもあります。
 次に、お寺に支払うお経料、戒名料。しかし、お経料や戒名料の基本は 「お布施」 ですから 「料金」 は存在しないし教えてもくれません。私の事務所の近辺にはお寺が多いため宗教法人の関与先もそこそこにありますし、相続税の申告資料からお経料等の金額も把握できます。
 現在の 「お布施」 はお金がほとんどですが、昔はお米やその他の品物を収めることもありました。そして相続人がいない場合等では、土地で賄うことも、今でもあります。その昔に、お布施でいただいた土地を広範な地域に保有している寺院も見かけます。参考に、最近当事務所で扱った相続税の申告事例から、葬儀の際のお布施等の金額を示してみましょう。
 
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(注1) 社葬費として総勘定元帳より抽出(相続税申告不要につき内訳不明)。
(注2) 葬儀社への支払いの中に斎場等の支払いが含まれているケースもあります。
 
 
 
 
 

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