「速報!景気対応緊急保証制度(融資)がスタートしました!」
今回は、2月15日よりスタートした「景気対応緊急保証制度」について、速報でご紹介します。
■2月15日よりスタート!
景気対策として導入された中小企業向けの公的融資制度として、「緊急保証制度」 というものがあります。これは、指定業種に属し、売上減少 (前年比▲3%) などについて市区町村の認定をうけた中小企業に対して、最大8,000万円 (無担保の場合、有担保で2億円) の融資を受けられるというものです。返済期間が10年まで伸長できること、国が100%保証しているため金利が低いこと、更には一般保証とは別枠扱いとなること等から、利用されている中小企業は多いです。
この緊急保証制度が、実は3月末で期限切れとなります。
しかし政府は、まだまだ中小企業への景気配慮が必要との判断から、この緊急保証制度を1年延長し、合わせて制度の拡充も行い、名称も 「景気対応緊急保証制度」 と改称して、前倒しで、2010年2月15日より新たにスタートさせました。
■原則、全業種が対象に!
この新しい景気対応緊急保証制度の拡充点としては、以下の5つがあります。
- 対象業種が原則全業種に
具体的には、今まで793業種だったのが1,118業種になります(但し、農林水産業、金融・保険業、学校法人、宗教等は対象外)。今回の措置で、医療、介護業等も対象になりました。
これにより、平成10年の時の特別保証と同じ形になりました。具体的な指定業種は以下で確認できます。
⇒ http://www.chusho.meti.go.jp/kinyu/2010/download/100205KS2.pdf
- 認定基準を緩和
前年比だけではなく、2年前比での売上減少(▲3%) 基準も導入
⇒ 不況が長引く中での配慮です。認定基準の緩和と合わせて認定手続きの簡便化も行なわれましたので、より早く融資が受けられることになるのかもしれません。
- 金利引き下げ要請
国が100%保証するため、金融機関としてはノーリスクとなります。そのため、今回の制度導入に合わせて、政府は金融機関へ金利引き下げ要請を行ないました。
⇒ 借り手にとっては、より低い金利で借りられることになるのかもしれません。
- 保証・融資審査の弾力化
金融審査に当たって中小企業の経営実態を十分勘案するよう政府が保証協会に基本方針を提示
⇒ 例として、「2期連続の赤字を計上し繰越損失を抱えている場合であっても、赤字の要因や取引先等からの経営支援等を幅広く勘案した上で与信を総合的に判断」となっています。
- 利用枠の拡充
借り手にとっては、借入利用枠としての財源がいつか底をつくのではないかと懸念される面もありましたが、新たに6兆円追加されました。
⇒ 30兆円の利用枠が36兆円の利用枠に変更!
以上を図解したものが、下記ページから見られます。
中小企業庁施策>金融サポート>「景気対応緊急保証の創設等の中小企業資金繰り対策」
http://www.chusho.meti.go.jp/kinyu/2010/download/100205KS1.pdf
より詳しく知りたい方はこちらをご覧ください(中小企業庁のサイト)
http://www.chusho.meti.go.jp/kinyu/2010/100205KeikiSupport.htm
今日のこの話が経営者の皆様のお役に立つことができれば幸いです。
執筆者プロフィール
今村仁 Imamura Hitoshi
マネーコンシェルジュ税理士法人 代表社員
経 歴
京都府京都市出身。立命館大学経営学部企業会計コース卒 会計事務所を2社経験後、ソニー株式会社に勤務。その後2003年今村仁税理士事務所開業、2007年マネーコンシェルジュ税理士法人に改組、代表社員に就任。税理士・宅地建物取引主任者・CFP等ベンチャー・起業家・中小企業の参謀役税理士(SZ)として、会社設立から株式公開支援まで幅広くサポート。大阪・京都・神戸・滋賀・奈良・東京・横浜を中心に活動。マネーコンシェルジュ税理士法人(旧今村仁税理士事務所)
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