1.非対面でのファーストコンタクトは
丁寧すぎるくらいがちょうどいい
ですが、オンライン上ではどうしても印象を決める部分は画面上のみとなるため、その印象を補足させるメールや電話でのきめ細やかなフォローがビジネス上の信頼へとつながってきます。
メールや電話は気軽にコミュニケーションができるツールという側面がある一方、あまりに簡潔になりすぎるとぶっきらぼうな印象に映ってしまったり、逆に情報を多くしすぎると大切なポイントはどこなのか相手にわかりづらくなったりしてしまいます。
今回はニューノーマル時代だからこそ大切にしたい、心のこもったメールと電話の使い方を学んでいきましょう。
2.オンライン用 URL を先方にお送りする際のメールの文章は
文頭や文末の“季節感のある言葉選び”が鍵
商談の直前に待ち合わせ場所のご連絡をする方はいらっしゃらないかと思いますが、テレビ会議のURLのご案内なども、直前でのご案内は失礼な印象にあたります。社外の方へも前広にご案内をし、さらに同席する社内の方にはTeamsなどのスケジュール管理システムなどでテレビ会議のURLをスケジュールに入れておくなどすると、当日セッティングする上でもメールを探さずに済み、スムーズに会議をセットアップすることができます。
リモートワークという非対面のコミュニケーションだからこそ、前広で丁寧なご案内がいかにできるかがビジネスシーンで信頼感を得るポイントです。
そしてさらに、メールの中で機械的な印象を拭うには「感性を感じられる挨拶」が重要です。
ケースによっては文頭で「だんだん桜の開花が楽しみになってまいりましたね」と一言書き添えたり、文末で「まだ朝晩肌寒い日が続きますのでご自愛ください」と相手を気遣う一言を述べたりと、差出人の思いやりの心が伝わるメールはぐっと印象に残ります。
3.電話では、ファストイン、スローアウトの話し方で
”洗練された人”を印象付ける
ビジネスマナー上では、「語先後礼」「分離礼」とも言われる、挨拶をする際に相手に対して向き合って挨拶の言葉を発してからお辞儀をするという動作が、よりフォーマルな時に求められます。それよりもさらに丁寧な印象を与えることがこの「ファストイン、スローアウト」なのです。
これはどういうことかというと、「ありがとうございます」と述べた後の礼を、頭を下げる時に1秒だとすると、頭を上げる時に2~3秒かけ、最初よりも後の動作の方をゆっくり行うことで誠実な印象を与える、というものです。
電話対応のように表情が見えず、感情が伝わりにくいコミュニケーションツールだからこそ、「ファストイン、スローアウト」で語尾をややゆっくりと話すことによって、落ち着き洗練された印象を与えることができるのです。
実際に電話に出た時と想定し「お世話になっております。〇〇会社でございます」とご自身の声を録音してみてください。「〇〇会社でございます」と同じような速さで話すよりも
「〇〇会社でございます」と太字の部分をややゆっくり話すと違った印象に聞こえるはずです。ささいな部分ですが、少しの変化で印象が大きく変わる部分ですので、ぜひ実践してみてくださいね。
4.「ありがとう」が散りばめられていると
人は心を掴まれる
特に2回目以降お会いする場合は必ず前回印象的だった話などを伝え、いかに自分の中で相手の存在に感謝しているかを必ず伝えていらっしゃいました。そのような上司は社内外にファンの方がいて、結果的にビジネスにおいても周囲から引き上げられていました。
以前とコミュニケーションの在り方が変わってきているニューノーマル時代だからこそ、“心”が伝わるコミュニケーションが一層求められていると感じます。それは、電話やメールといったコミュニケーションツールはもちろん、リモートワークにおいても同じです。
ほんの些細な一言や対応一つで印象は大きく変わります。
ぜひ新しい時代ならではの選ばれるコミュニケーション術で一層のビジネスチャンスを掴んでくださいね。
第4回 オンライン前後で更に好印象を UP させる、メールと電話の使い方
(2022.3.9)
プロフィール
朝倉 みや子 Asakura Miyako
RICCA 代表
経 歴
1982年生まれ。静岡県出身。新卒でシャネルにファッションアドバイザーとして入社。三井物産に転職後、10年以上秘書を務め、2018年にマナー講師として起業。ブラッシュアップスクールRICCAが評判となる。2020年よりブランディングプロデュース事業を開始。いち早くオンライン化を取り入れ、コロナ禍で売り上げが落ち込んだクライアントをV字回復に導くなど成果を出す。オンラインマナーに特化したコラムを執筆。2022年に「印象美」をテーマに著書を出版予定。2児の母。
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