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スペシャルインタビューSPECIAL INTERVIEW

 

尽きない欲を満たすため
突き進んだ25年間の野球人生

 
1992年に横浜大洋ホエールズ(現・横浜DeNAベイスターズ)に入団して以来、引退までの25年間一度も移籍せずに横浜の先発投手として活躍し続けた三浦大輔さん。入団当初から貫いたリーゼントの髪型をトレードマークに、「ハマの番長」と呼ばれ親しまれていた。そんな三浦さんに、「欲の塊だった」という現役時代のモチベーション維持について、また引退時の心境について話してもらった。
 
 

己を知る大切さを学んだ

 
現役時代の自分は、“欲の塊”でした。入団当初は、「一軍の試合に出たい」「注目されたい」という気持ちを糧に練習に取り組んでいましたね。チームの勝ち負けのことは考えずに「いいから俺を使ってくれ」と思っていたんです(笑)。実際に一軍のマウンドに上がったときは「こんなにたくさんのお客さんが観てくれるのか」と興奮しました。そして、「一軍の試合に出たい」という欲を満たしたら、「一軍の試合に出続けたい」という新しい欲が出てきたんです。
 
“目標”という言い方もできるけど、自分にとっては“欲”のほうがしっくりくるんですよね。だって、先輩がつけているロレックスの腕時計を見て「自分も欲しい!」「そのために良い成績を出して年俸上げるぞ!」と思っていたんですから(笑)。自分は練習が大嫌いで、本当はやりたくなかった。でも、良い成績を出すには練習するしかないんです。だから毎日つらくても練習し続けました。
 
自分の武器は、低めにボールを集める、コントロールを活かしたピッチング。でも、一軍で投げ始めた当初からそのことに気付けていたわけではありませんでした。マウンドに上がると、どうしても「絶対に抑えてやるぞ!」と肩に力が入ってしまう。もちろん、絶対に抑えるという気持ちを持つことは大切です。しかし自分の場合は、その気持ちばかりが全面に出てしまっていました。
 
力いっぱい速い球を投げようとしては打たれる。そんなことが続いていたときに、ピッチングコーチから「己を知りなさい」と言われました。自分自身がどういったタイプのピッチャーなのか知りなさい、ということです。その言葉を受けて客観的に自分を見つめてみると、二軍で投げていたときは、低めのコースに我慢強くキレのあるボールを投げ続けていたと思い出すことができたんです。
 
絶対に抑えるという気持ちを持ちながらも、どこか冷静な自分を持っておかないといけないと気付いてからは、だんだんと勝てるようになっていきました。このときに限らず、現役時代には多くの方々にアドバイスをいただきましたね。自分自身では気付けないことを皆さんが教えてくれたからこそ、いくつもの勝利を手に入れられたと思っています。
 
 
 
 
 

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