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スペシャルインタビューSPECIAL INTERVIEW


 
プロフィール 1949年生まれ。広島県出身。1973年一橋大学商学部卒業後、(株)富士銀行 (現みずほ銀行) に入行。(株)みずほコーポレート銀行常務取締役を経て、2005年にヤマト運輸(株)に入社した。2007年に代表取締役社長に就任。2011年4月、ヤマトホールディングス(株)代表取締役社長に就任。就任時の挨拶で 「宅急便1個につき10円の寄付」 活動をすることを明言した。以来、ヤマトグループの経営理念を行動で示しながら、事業運営に尽力している。
 
 
 
世の中のニーズとマッチしてEC、いわゆるネット通販の市場が成長を続けている。消費者にとって便利で手軽に使えるこのサービスを支えているのは、購入した商品を届けてくれる宅配事業者に他ならない。その宅配便市場でトップを走るのが、ヤマト運輸株式会社の 「宅急便」 である。故・小倉昌男氏が開発した宅急便は、我々の日常生活において欠かすことのできない身近な存在になっている。培ってきた配送網と小口宅配のノウハウは今後、日本の経済成長にいかなる役割を果たす可能性を持っているのか――。ヤマトホールディングス株式会社の木川眞代表取締役社長にお話をうかがった。
 
 

第3のイノベーション

 
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 当社の創業は1919年で、日本最古の運送事業者と言える長い歴史を持っています。その中で当社は、これまでに2回のイノベーションを行ってきました。1回目は、創業10年目の1929年に日本で最初にスタートした路線便事業です。路線便事業とは様々なお客様の荷物をトラックに混載し、決められた区間を定期的に行き来して荷物を輸送するサービスのことです。距離のある輸送は鉄道が主に担っていた当時、トラックが中距離以上の輸送を行うのは、非常に画期的なことでした。
 しかし、1960年代以降、後発の路線便事業者のネットワークが全国に広がる中、当社は市場の変化を見誤り、ネットワーク拡充に出遅れてしまったのです。さらに1973年にはオイルショックが発生。非常に厳しい経営状況に陥りました。そこで、当時の社長であった小倉昌男が不退転の決意で1976年に断行した第2のイノベーションが宅急便事業です。小さな荷物を好きなところに簡単に送れるこの宅配サービスは、お客様の潜在ニーズを引き出すことに成功し、大ヒットしました。そして、この宅急便を軸に据えて事業を磨き上げてきたことで、当社は現在の規模に成長できたのです。
 しかし、経営危機に陥った苦い過去を持つ当社は、宅急便の成功体験に甘んじているわけにはいきません。これは小倉昌男の教えの1つでもありますが、事業が成功した後もその成功に驕ることなく、危機感を持ち続けることが大事なのです。したがって、現状に満足せず、常に新しいことにチャレンジし、イノベーションを起こし続けなくてはらない。しかも、生み出すサービスは便利の押し売りではなく、お客様に必ず支持していただけるものでなくてはなりません。ですから現在は、2019年に迎える創業100周年を見据え、第3のイノベーションへと踏み出したところです。
 
 
 
 

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