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◆万年筆の魅力を通じて
時間のゆとりを楽しむ

 
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広い店内では、オブジェや宝石のように万年筆を美しくディスプレイ
 パソコンや携帯電話といったコミュニケーションツールが普及し、昔と比べて文字を書く機会はずいぶんと少なくなりました。規則正しいフォントは誰でも見やすく美しい書面を作ることができ、ビジネスにおいて大変便利ですが、どこか無機質な印象が否めません。その反動からなのか、デジタルな文字が増殖するいっぽうで、近年、万年筆の人気が高まっているといいます。
 
 インクの風合いに書き手の人柄がにじみ出た文字は、読み手の心を動かすもの。また、自分に合ったデザインや書き心地の万年筆は、文字を綴る喜びや楽しみを教えてくれると共に、慌ただしい日々の中に、手入れやインク選びなど、ゆったりとした時間を生み出します。万年筆を通じて、豊かな時間と喜びを提案してくれる、とっておきの空間をご紹介しましょう。ハイセンスなショップが並ぶ南青山の路地にひっそりと佇む 「Pen Boutique書斎館 Aoyama」。2001年、万年筆離れが進み黎明期にあった中、「文字を書くことの大切さを見直してほしい」 という思いから生まれました。
 
 

◆個性豊かな万年筆が揃う
大人の隠れ家 「書斎館」

 
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鮮やかなオレンジが美しい「デルタ」の
『ドルチェビータ』ミディアム ¥73500
 エントランスを抜けると、モダンなインテリアにアンティークの机や椅子、書棚を配した、どこかノスタルジックな空間が広がります。店内にはカフェも併設。ゆったりと手紙を書いたり、本を読んだりと思い思いの時間を過ごすことができ、まさに “書斎” そのものです。また、“ペン・ブティック” と呼ぶに相応しく、アンティークから現行品まで約2000本もの万年筆と、関連する筆記具がずらり。宝石のように美しくディスプレイされたペンに、コレクターならずとも目を奪われるでしょう。約30メーカーのアイテムが揃い、国やブランドごとの魅力を存分に味わうことができます。
 
 たとえば、イタリアのブランドは華やかなデザインが特長。凝ったディテールに定評のある 「デルタ」 の代表アイテム 『ドルチェビータ』 は、南イタリアのオレンジを彷彿とさせる鮮やかな軸が印象的です。職人が一つずつ特殊レジンを削り出し、磨き上げた軸や、繊細なデザインを施したキャップリング、ペン先など、まさにブランドの粋を集めた一本。万年筆はもちろん、同デザインのボールペンも人気が高いアイテムとなっています。
 
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「ペリカン」 の 『スーぺレーン』M800はファンも多い逸品。 ¥52500
ペン先には母子愛の象徴であるペリカンが刻まれているのも特徴だ
 打って変わって、日本やドイツのブランドは、“質実剛健” といった趣の、どっしりと存在感ある逸品揃い。
 
 「モンブラン」と人気を二分する、ドイツの 「ペリカン」 もその一つと言えるでしょう。特に、『スーペレーン』 M800の緑縞といえば 「ペン・オブ・ザ・イヤー1997」 を受賞した、フラッグシップモデル。深みのある色柄は、手作りのため、どれも少しずつ風合いが異なる他、回転吸入タイプという点も、「ひと手間が楽しい」 という万年筆好きの心をくすぐります。
 
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古い木の机が懐かしく、温かみを感じさせる
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デザインやサイズも様々な万年筆が揃う
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モダン×アンティークが馴染む独特の空間
 

◆思いのままにペンを走らせ
自分の言葉と向き合う喜び

 
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一本ずつの個性が際立つ「モンテベルデ」の『プリマ』各¥5250
 その他、凝った装飾を施したエンペラーサイズの観賞用万年筆やインク、取り扱いブランドのペンケース、ボールペンといったアイテムも目移り必至。
 
 アメリカのブランド 「モンテベルデ」 が展開するボールペン 『プリマ』は、“ファースト・クラス” を意味するイタリア語 “プリマ・クラッセ” に由来する名も納得のデザインと品質です。同じカラーでも、一つひとつ柄の入り方で印象が違うため、購入時に迷う人も多いとか。
 
 書斎館に訪れるのは、意外にもIT関連の仕事に就いている人も多いといいます。アイデアが思いつくままに書き留めるには、やはりペンが便利ということもありますが、特に万年筆は 「書く快感」 と言うほど書き味が滑らかで心地良く、良いアイデアが浮かぶのだそうです。
 
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ペンとゆっくりと向き合い、自分と相性の良い一本を探してみたい
 便利になった生活の中で、文字を書くのは手間のようにも感じるかもしれませんが、だからこそ、ペンを執る時間は贅沢な時間であり、一文字一文字が味わい深いのではないでしょうか。書斎館では、座って試し書きができるので、相性の良い一本をじっくりと吟味できます。お気に入りのペンを見つけて、たまにはメールではなく手紙を書いてみませんか。自分の手で綴る言葉と向き合うことで、新たな発見があるかもしれませんよ。
 
 
 
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Pen Boutique書斎館 Aoyama
TEL 03-3400-3377
営業時間:11:00~20:00 (カフェLO 19:30)
定休日:水曜
東京都港区南青山5-13-11 パンセビル1F
 
 (この情報は2012年10月現在のものです)
 
 
 
 

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