父の背中を追った短い時間

インタビュアー 石黒彩 (タレント)
外勢 ええ、先代社長である私の父が、1948年に立ち上げました。
石黒 外勢社長の年齢が会社の歴史そのものなんですね。まずはご経歴を教えていただけますか。
外勢 大学を出て最初に勤めたのは、建設とは関係ない音楽業界でした。そこで2年間、営業のノウハウを学んだあと、大学に入り直しました。というのも、私は文系の出身で、建築の勉強を一切してこなかったんです。理数系は大の苦手でしたが、いずれ会社を継ぐ者としては避けて通れない道だったので、頑張って勉強したんです。そして、28歳で弊社に入ってからは現場で経験を積み、徐々に経営についても教わっていこうとビジョンを描いました。しかしその矢先、父が病に倒れて帰らぬ人となってしまったんです。突然のことで途方に暮れたのをよく覚えていますね。
石黒 それでは、先代からは何も教わることができないまま、二代目を務めることになったんですか?
外勢 いえ、しばらくは叔父に社長代理をしてもらい、私は営業で力をつけることにしました。設計事務所の名簿片手に、飛び込みで営業をして、新規開拓に奮闘する日々を過ごしました。そうやって約10年間の営業職時代を経て、39歳の時に社長に就任したんです。