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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

製造業を土台から支える 工場設備の設計・製作
有限会社エムハンズ 代表取締役 宮地貴司

 
プロフィール 神奈川県出身。工業高校卒業後、大手自動車メーカーに就職。製造業の基礎的な経験を積んだのち退職し、板金職人であった父の仕事を手伝う。その後、父の取引先だった製造会社に入社し、15年ほど勤務する。本格的に製造業のノウハウを学び、1999年に独立。(有)エムハンズを設立した。治工具の設計や製造、工場設備のレイアウトなどを行うほか、海外出身者の人材開発・育成にも注力している。【ホームページ
 
 
 
工業製品の製造に必要な工場設備。それらの治工具や機械を設計する、いわば“ものづくりを支えるものづくり”を行うのが有限会社エムハンズだ。代表取締役の宮地貴司氏は、幾多の困難に見舞われながらも、仲間の助けもあって乗り越えてきた結果「人との縁は絶対に大事にすべきだと誓った」と語る。そんな宮地社長は、どのような経験を積んできたのか。そして、製造業を支える事業や人材の開発育成にかける思いを存分にうかがった。
 
 
 

ものづくりを支えるものづくり

 
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インタビュアー 吉井怜(女優)
吉井 神奈川県綾瀬市を拠点に、治工具や産業用機械の設計・製作などを行っている有限会社エムハンズさん。治工具や産業用機械とは、具体的にはどのようなものなんでしょうか?
 
宮地 簡単に言えば、製品を組み立てる際に使用する機械や、工場の生産ラインで使用される装置などですね。弊社ではそれらの製作を手がけています。設計から行うこともあれば、リバースエンジニアリングといって、すでにある治工具をスキャンしてデータ化し、それをもとに新たな治工具を製作する場合もあるんですよ。
 
吉井 “製造や組み立てに使うための機械をつくる”とは、まさに“ものづくりを支えるものづくり”というわけですね! 
 
宮地 そうですね。そのため、メーカー様の工場に出向いて、どこにどんな機械を置くかをうかがってから取り組みます。また、自社だけでは完結しない仕事も多いんですよ。例えば、電気工事業者さんに配線をつないでもらったり、作業用ロボットを設置するため、専門業者さんに依頼したりですね。ですから、設計者と施工業者との意思疎通も大事になります。
 
吉井 それぞれのプロが集まって一つの工場をつくりあげる、共同作業の一翼を担っているんですね。とても興味深いお仕事です!