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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

個性を尊重し個の幸せを
追求する社会福祉施設

 

人はみな固有名詞を持つ者として尊重される

 
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杉田 友愛学園さんの入所支援について教えていただけますか?
 
内山 子どもの施設である児童部では、18歳以下の子どもたちが自立した社会生活が営めるように生活全般にわたる支援を行っていまして、大人の施設の成人部と「はぁとぴあ原宿」では、社会の中でより自分らしい生活が営めるような支援を行っています。日中活動ではアート関係の活動も盛んで、数多くの作品展を開催しています。山本寛斎氏のショーで作品を使っていただいたこともあるんですよ。昨年の法人創立60周年事業では、利用者さんの作品をモチーフにして地元のタオル製造企業である、ホットマン株式会社様に記念品をつくっていただきました。
 
杉田 能力を引き出すだけでなく、きちんと作品として世の中に送り出されているんですね。
 
内山 ええ。社会の中に存在しながら、子どもから大人まで、障害のある人が安心して暮らし、希望を持つことが大切ですからね。そのために私たちは、「愛と信頼と行動」を軸に支援しています。
 
杉田 学園の理念にあたるお話ですね。ほかにはどんな考えを大切にしているのですか?
 
内山 一つは「人は誰しもが、固有名詞を持った一人として尊重される」という考えです。これは「すべて国民は個人として尊重される。幸せを追求する権利がある」と記された日本国憲法13条、幸福追求権に基づいた考えです。
 
杉田 「人間として」ではなく、「個人として」と書かれている点がポイントですね。でも、それが支援活動にどう意識されるのでしょう?
 
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内山 例えば幸せを感じる瞬間って、人によって違うでしょう? その人が何に幸せを感じるのかを探って見つけ出し、その達成に向けて私たちに何ができるかを考えることが良い支援活動だと思います。
 
杉田 「好きな人が多いからカレーをつくってあげる」のではなく、それぞれが食べたい料理を食べられるようにすることを目指しているんですね。先ほど「自立した生活」「自分らしい生活」を営めるようにとおっしゃった意味がわかります。
 
内山 自立は、意思決定の底辺とも言える、「選択する場面をつくる」にも通じますね。知的障害のある子は、物事の選択が苦手とされます。でも、それは選択する経験が少ないからでもあるんです。そこで、友愛学園ではできるだけ本人に選択してもらう機会を設けているんですよ。「自分でできないことは私たちに手伝ってもらえればいいんだよ」と教えながらね。
 
杉田 何でもしてあげるのではなく、必要なときに手を差し伸べる。これも、相手を個人として尊重しているからできる支援の形ですね。