和久田　そもそも「飲みに行こう、飯を食いに行こう」と誘われない人もいるのだから、声をかけられるうちが花ですよ。建築業界では、現場の休憩時間に「今度は、あそこで工事をするよ」「ぜひ、うちにお願いします」という会話をすることも営業になりますよね。むしろ、現場で認められて次につながることが一番の営業になるのだから、コミュニケーションを大事にしろと、若いスタッフに口を酸っぱくして言っています。
 
城　技術はもちろん大切ですが、やはり仕事は人を見て発注するものだと思います。サッカーでも同じレベルの選手がいたら、監督はきっと、人柄が良くコミュニケーション能力の高い選手を起用するでしょう。それは、建築の仕事でも同じですよね。お話をうかがっていると、和久田社長は資格というハード面と、人柄や仕事に対する姿勢といったソフト面の両方で、若いスタッフを育てようとしていることがわかります。
 
和久田　私たちの世代は会話や身なり、挨拶といった基本的なマナーをしっかりするよう、先輩たちに厳しく叱られてきましたからね。常に人に見られていると意識して、プレッシャーを感じながら仕事をすることは心がけています。
 
城　そこを徹底していけば、建築業界のイメージもどんどん良くなっていくでしょうね。