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コラム ほめ達!の「未来を拓く言葉たち」連載18回目「ほめる」とは自分の心を整えること ほめ達!の「未来を拓く言葉たち」 一般社団法人日本ほめる達人協会 理事長 西村貴好

コラム
こんにちは。真面目に仕事をしている、頑張っているのに、ミスをしてしまう人っていますよね。あるいは完璧に仕事をこなせなくて、自己嫌悪に陥ってしまう。そんな時には、どんな声をかければいいんでしょうか。
 
今回も皆さんと一緒に、未来を切り拓いていく言葉を獲得するためのトレーニングをしていきます。私と一緒に考えながら、あなた自身の言葉を磨く助けにしてください。
 

たくさんの“気付き”を経験にする

 
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9月初旬、カナダのバンクーバーで講演を実施!
「ほめ達!」では、何かのミスをしてしまった人に対して、失敗した内容をそのまま告げるのではなく、「惜しい!」などと声をかけて、ミスをしてしまった事実に気付いてもらうように心がけています。そして、その“気付き”をたくさん積み重ねるのが経験なのだと知ってもらうようにはたきかけるのです。
 
ミスをしたことを責めて“傷だらけ”にするのではなく、“気付きだらけ”にしてあげる。「失敗ではなく、気付きだよ。気付いた分だけ成長しているんだよ」「行動、挑戦したからこその気付きと成長。この気付きを活かしていこうね」こんな言葉が言えたら最高ですね。
 
その反対に、いつも何かしらのミスをしていたのに、時には完璧に仕事をこなしてくれることもあると思います。そんなときは「たまたまだよね」ではなくて「お、さすが!」と口に出して言ってあげてください。
 
“たまたま”こそ、ほめる。本当に“たまたま”かもしれませんが、完璧に仕上げてきたことは事実です。一度できたことは何度でもできる。そして、“たまたま”をほめていくと、確実に“たまたま”の頻度が上がってきます。
 
 

言葉で光を届ける=“誉める”

 
私はこういう仕事をしていますから、「どうしてもほめられない人に対してはどうしたらいいか」という質問をしょっちゅう受けます。そういう人をほめるのは後回しでいいです。まずはほめてあげるべきなのに、その気持ちを伝えてない人がいないかどうかを聞きます。「ほめ惜しみをしている相手がいませんか」とね。家族とか、恋人とか、ほめ惜しみをしている人が、身近にたくさんいませんか?
 
ほめる行為は、言葉で光を届けることです。ほめるを漢字で書くと、“誉める”ですよね。この漢字は上が「光」で下が「言」。です。つまり、言葉で光を届ける=誉める――というわけです。
 
暗闇の中ではダイヤも単なる石ころです。怖いのは“当たり前”という暗闇です。“当たり前”に包まれてしまって、本当は感謝すべき家族や仲間、アドバイスをくれる存在に対して、居るのが当たり前と思って、そのありがたさに気付いていないこと、ありませんか? その当たり前の闇に光を届けるのがほめること。だからほめ惜しみをしないのが大事です。
 
 

叱るべきことは叱る。できていることをほめる

 
「遅刻ばっかりしてくる部下をどうほめたらいいですか」と聞かれることもあります。これは、「そんなん、ほめたらあかん」って言います。普通に考えれば、遅刻はほめられたことではないですからね(笑)。
 
そういう場合はしっかり、「遅刻はダメ!」と叱るべき。そのうえで、遅刻以外の部分で頑張ったことに対してほめればいいんです。先ほどの、「どうしてもほめられない人に対してはどうしたらいいか」というのも同じことです。「ほめ達!」は叱ることを封印しているわけではありません。叱るべきときは叱る。そのうえで、きちんとできていることに対しては、当たり前のことだと思わずに、できていることをほめるのが大事なんですね。
 
そして、ほめるときに重要なのは、ほめることで相手をコントロールしようと考えないことです。そうではなく、ほめる中身に“事実”が入っているかどうかが大事です。さらにその事実、相手の行動が、誰の、どんな風に役に立ったかと伝えてあげればいいんです。
 
 

ほめるのは、自分の心を整えるため

 
「ほめても相手に響かないときはどうしたらいいんですか」という相談もあります。しかし、相手に「響いてほしい、喜んでほしい、仲良くなりたい」という打算があってほめるのは、先ほども言ったように、ほめることで他人をコントロールしようとしている証拠です。
 
以前、B-plusさんの誌面で「ほめるは人のためならず」というタイトルの連載をしていました。まさに、それです。ほめるのは、他人をコントロールするためではありません。自分の心を整えるためのものです。
 
自分の心に余裕がないと、人の良いところは見つけられません。周りの人の良いところを意識して見つけることで、自分の心が整って、相手との関係性も変わっていくんです。中にはほめられると警戒したり、気持ち悪がったりする人もいますけどね。でも、「ごめんね、ほめられて気持ち悪いでしょ。でも、ほめている僕が豊かになれるんです(笑)」。そんな意識でほめることが大事ですね。
 
それでも相手が謙遜する場合は、第三者の声を使いましょう。「僕だけじゃなくて、●●さんもそう言っているよ」と。それでも「そんなことないです」と言われたら、「少なくとも僕はそう思っているよ」と主観でほめきることです。こちらが相手の主観的な謙遜を否定できないように、相手もこちらの主観的なほめ言葉を否定はできないですからね。
 
最後に、私自身がほめられて嬉しかった言葉を紹介します。すぐに思い出すのは、知り合いのバーテンダーさんに、「あなたには人に夢を見せる力がある」と言われたことです。
 
私は、私と関わりを持った方々には、「私にもできるかも」とか「自分はもっと頑張れるかも」とか、「自分にはこんな可能性があるかも」などと前向きになってもらいたい。「西村ってすごいな」と言われるよりは、「西村さんと一緒にいると自分ができる気がしてきました。自分がすごい人間のような気がしてきました」と言われたいですし、そう言ってもらえると、嬉しいです。
 
 
ほめ達!の「未来を拓く言葉たち」
第18回 「ほめる」とは自分の心を整えること
 
(2018.9.21)

 著者プロフィール  

西村 貴好 Nishimura Takayoshi

一般社団法人日本ほめる達人協会 理事長

 経 歴  

1968年生まれ。大阪府出身の「泣く子もほめる!」ほめる達人。ホテルを経営する家の三代目として生まれ、経営術を学びつつ育つ。関西大学法学部卒業後、大手不動産に入社して最年少トップセールスを樹立。その後、家業のホテルを継いで経験を積み、2005年に覆面調査会社「C’s」を創業する。短所ではなく長所を指摘することが調査対象の企業成長に効果があると発見し、「ほめる」ことの重要性に気付く。数々の実績を上げる中で、2010年2月に「ほめ達!」検定を実施する、一般社団法人日本ほめる達人協会を設立し、理事長に就任。以降、検定を通じて「ほめ達!」の伝播に尽力している。著書に『繁盛店の「ほめる」仕組み』(同文舘出版)、『ほめる生き方』(マガジンハウス)、『心をひらく「ほめグセ」の魔法』(経済界)、『泣く子もほめる!「ほめ達」の魔法』(経済界)、『人に好かれる話し方41』(三笠書房)などがある。

 日本ほめる達人協会オフィシャルサイト 

http://www.hometatsu.jp

 西村貴好オフィシャルブログ 

http://ameblo.jp/nishitaka217/

 フェイスブック 

https://www.facebook.com/hometatsu

 
 
 
 

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