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企業を形づくる要素の1つである、社内制度。その内容には、企業のカラーや成長度合いが色濃く映し出されるものです。そこでこの連載では、取材を通してユニークな制度を導入している企業や、社内制度が充実している企業をご紹介していきます! 今回お話をうかがったのは、スマホゲームに特化したコミュニティサービス「Lobi」や多数のゲームアプリを開発する、面白法人カヤックさん。「面白法人」と称するだけあり、会社そのものをコンテンツと捉え、日々おもしろい取り組みをしているカヤックさんに、社内制度について詳しくお聞きしました。
 
 

「ぜんいん人事部」制度!?

 
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見た目もユニークな「ファストパス」と「ラストパス」
ユニークな社内制度を多数導入しているカヤックさん。2014年7月からは、なんと「ぜんいん人事部」なる制度を実施されているそう。一体どんな制度なのでしょうか? 広報の金田裕理さんにお聞きしました。
 
「ぜんいん人事部はその名の通り、社員全員が人事採用や社員の評価、給与査定に関わる制度です。まず採用面では、社員が『この人いいな、うちに合っているな』と思った人を面接に呼ぶことができます。方法としては、全社員に『ファストパス』というカードが配られるので、社員はそれを気に入った人に渡すと、渡された方は書類選考免除で面接を受けることができるんですね。さらに面接官クラスの社員には『ラストパス』というカードが配られて、渡された求職者の方は、いきなり最終面接を受けられます。実際にこのカードで入社して、プロデューサーとして活躍している者もいるんですよ」。
 
なるほど、発掘した人を面接に送り込む権限が全員にあるんですね! それにしても、どうしてこの制度を導入しようと?
 
「カヤックでは、何をするかより、“誰とするか”を大切にしています。ですから社員全員が当社の考えを踏まえた上で、どんな人と働きたいかを思い描けば、良い人材が集まるんじゃないか、と考えて実施しているんですね。基本的に社員が良いと思った方ならカードを渡せるので、居酒屋で意気投合した人でもオーケー(笑)。この制度のおかげで、全員が会社にとって何が良いのかを、日々考えられるようになりました」。
 

社員全員で互いを評価する「ぜんいん評価」

 
会社や社員、求職者にとってもプラスな取り組みなんですね! では評価面では、どんな形で社員全員が関わるのでしょう?
 
「当社では、全社員が半年に1度、自分の目標や会社にどう貢献するかを記入して、その後どれだけ達成できたかを互いに評価する、『ぜんいん評価』というシステムがあります。このシステムでは、上長だけでなく、コメントしてもらいたい人を数人指名することが可能です。さらに指名された人以外も自由にコメントでき、内容は良い評価から改善のためのアドバイス、日頃の感謝の言葉まで様々。各個人のページは社内の全員が閲覧可能で、実は社長自身の評価ページも見ることができるんです。このシステムのおかげで各自、目標設定と振り返りができますし、周囲の評価を知れるので、モチベーションの向上につながっているんですよ」。
 
自分の仕事をいろんな人に評価してもらえるなんて、良いシステムですね! それに社長への評価も見られるとは、なんてオープンで風通しの良い社風・・・! それでは、お次は気になる給与制度について。カヤックさんでは、とてもユニークな方法で給与を決めているとか。
 

サイコロで給与が決まる!?「サイコロ給」

 
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サイコロ給でサイコロを振る様子。月に1度の恒例行事だ
「カヤックでは、社員の相互評価と上司の評価、運の3つの要素で給与を決めています。まず社員の相互評価では、半年に一度、社員同士が互いの仕事ぶりを15段階でランク付けする制度があります。評価者が付けたランクによって基本給が決まるシステムなんです。そして賞与は、逆に上司の評価によってのみ、決まります。最後に3つ目の運については、当社独自の制度、『サイコロ給』で給与の一部を決めているんですよ」。
 
サイコロ給! まさか、サイコロを振って給与を決めるのではないですよね? 詳しく教えてください!
 
「サイコロを振って、給与を決めます(笑)。月給×サイコロで出た目のパーセンテージ分が給与にプラスされる仕組みです。ちなみに何故サイコロなのかというと、『そもそも、人間が互いを完璧に評価するなんてできない。だったら、神様に任せよう』という発想から生まれた制度だからなんです。私自身、その考えには共感できますし、サイコロを振る日は社員が列をなして、「あー! 6が出たー!」なんて盛り上がって、本当に楽しいんですよ。それから当社にはもう1つ、『スマイル給&コブシ給』という制度があります。この制度では毎月、全社員にパートナーの名前が通知される形で、ランダムにペアを組みます。その通知が来たら、パートナーの良いところと、改善すべきところをフォーマットに書き込む。だからスマイルとコブシなんですね。実はこの制度によって、実際に給与が支払われるわけではないのですが、『他者のコトバにはお金にはない価値がある』という考えのもとに実施しています」。
 
サイコロ給はちょっとした社内イベントのようで楽しそうですし、スマイル給&コブシ給も社内の交流を促進する良い制度ですね!
 
「スマイル給&コブシ給では、パートナーがどんな人かよく知るために、毎回相手をランチに誘う人も。この2つの制度のおかげで、社員同士が交流する機会が増えました。本当に良い制度だと思います」。
 
 
「『面白い人』より、『面白がる人』であれ」、という思想で数々のユニークな制度を生み出している面白法人カヤックさん。改めて、その社名の通りいかに“おもしろく働くか”を日々追求している会社だと実感しました。ここまでのことはできなくとも、視点を変えればきっと仕事をおもしろくすることはできるはず! ぜひ、良い会社・チームづくりのヒントにしてみてくださいね。 
 
 
▼取材協力
株式会社カヤック
http://www.kayac.com

 
                                                         (2016.6.10)

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