常に変化を続けながら
俳優の自由さを楽しむ
俳優 永山瑛太
1999年にモデルデビューし、2001年からは俳優として活躍を続けている永山瑛太さん。現在は映画監督やフォトグラファーなどさまざまな顔を持っている。インタビューでは、「昔からどうやって人の目に残る行動をするか考えていた」と語ってくれた永山さん。そんな永山さんが芸能の世界に入ったきっかけから、これまでのご経験、今後の目標などたっぷりとうかがった。
フィクションの世界で生きる決意をした
僕が芸能界に入ったきっかけは、一言で言ってしまえば現実逃避です。自分が生まれ育った町から飛び出してみたいという気持ちがありました。周囲の友人たちが受験に備えている中で、学歴によって社会と結びつくことに疑問を感じていたんです。学歴で人に判断されることのある世界は、僕には向いていないなと思っていました。
勉強は嫌いではなかったんですよね。公文式にも通っていて、学んだ知識を使って正解にたどり着くことの楽しさも知っていました。ただ、僕は学生時代、サッカーに熱中していまして。サッカーを通じて体を動かすことや勝負の楽しさを知り、また人間関係を育んでいったんです。
当時考えていたのは、どうやってコーチや選抜などのスカウトの方の目に留まるかということです。周りには僕よりうまい選手もたくさんいましたからね。その中で自分がトップになるにはどうすれば良いのか。まずは誰よりも努力すること。そして、自分を客観視してどこを直せばより良い選手になれるか試行錯誤していたんです。どうやったら爪痕を残せるのか、常に考えていましたね。
もともと俳優の世界にも興味を持っていました。父が映画好きだったので、家には常にレンタルしてきたいろんなビデオがある環境だったんですよ。父の影響で僕もさまざまな作品を観る中で、映画やドラマのようなフィクションの世界で生きていきたいと思うようになったんです。そうしてサッカーをやめ、この世界を志すことに決めました。
実際のこの世界に入って感じたのは、とにかく自由だということです。僕はもともとひねくれた考え方をしていたので、なんで1+1は2じゃないとダメなんだろうと考えるような子どもだったんですよ。もっといろんな正解があったって良いんじゃないかなと。この世界には、そういった明確な正解はありません。その自由さが自分に合っていると感じましたね。
自由といっても、もちろんルールはあります。例えば今日のような写真を撮影してもらうときは、カメラマンさんがどのように撮りたいのかを感じ取って臨むようにしています。そのルールからはみ出さない中で、自分に何ができるのかを大切にしていますね。